以来

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

いらいこのかた

  1. 以前のある時点から当の時点まで継続して、しばしば起こって、経過して。接続助詞・格助詞のように用いる。
    • はじめて書いたのが、その年の盛夏の頃であった。それ以来、牧野信一が方々の彼の親友のところをひきまわしてくれて、私も文壇というところの一角だけを覗くようになったのである。(坂口安吾「小林さんと私のツキアイ」)
    • 内地へ来て以来かれこれ十年近くなるけれど、殆んど毎年二三度は帰っている。(金史良「故郷を想う」)
  2. 以前のある時点から当の時点まで継続したある長さの期間において。接続助詞・格助詞のように用いる。
    • 四季その折々の風物の移り変りと、村の年中行事を、その時々にたのしめるようになったのは、私には、まだ、この二三年以来のことである。(黒島傳治「四季とその折々」)
    • 有史以来
  3. 以前のある時点から当の時点までではじめてのこと。
    • 筆供養や針供養はチョクチョクあるが、瓢箪供養てえのは江戸開府以来だ、(野村胡堂「銭形平次捕物控 瓢箪供養」)
  4. 以前のある時点から当の時点まででもっとも程度のはなはだしいさまを表す。
    • 聴講者は鈴木信太郎、須川弥作、岸田國士、井汲清治、それに私の五人、当時「仏文はじまって以来の盛況」と言いはやされた。(関根秀雄「モンテーニュ随想録 ESSAIS DE MONTAIGNE はしがきに代えて―モンテーニュとの六十年―」)
    • 神武以来(じんむこのかた)の美少年
  5. 爾来。それ以来。接続詞・副詞のように用いる。
    • 東京府立一中卒業後、1890(明治23)年に東京日日新聞に入社。以来、中央新聞社、絵入日報社などを経て、24年間を新聞記者として過ごす。(青空文庫「作家別作品リスト:No.82 作家名:岡本 綺堂」)
  6. (やや古)以後今後。この。接続詞・副詞のように用いる。

発音(?)[編集]

い↘らい
こ↗の↘かた、こ↗のかた↘

中国語[編集]

名詞[編集]

  (繁): 以來 (yǐlái)

  1. (日本語に同じ)以来