読後

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

(どくご)

  1. 文章や書籍を読み終わっ。助詞無しで副詞的にも用いられる。
    • 1929年、寺田寅彦「ルクレチウスと科学」[1]
      私はただ現代に生まれた一人の科学の修業者として偶然ルクレチウスを読んだ、その読後の素朴な感想を幼稚な言葉で述べるに過ぎない。
    • 1937年、宮本百合子「ジイドとそのソヴェト旅行記」[2]
      『中央公論』の新年号に、アンドレ・ジイドのソヴェト旅行記(小松清氏訳)がのっている。未完結のものであるが、あの一文に注目をひかれ、読後、様々の感想を覚えた読者は恐らく私一人にとどまらなかったであろうと思う。
    • 1938年、倉田百三「学生と読書」[3]
      聖書を読むまでと、読後とでは、人間の霊的道徳性はたしかに水準を異にする。プラトンとダンテとを読むと読まないとではその人の理念の世界の登攀の標高がきっと非常に相違するであろう。

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  1. 青空文庫(2000年10月3日公開、2003年10月30日修正)(底本:「寺田寅彦随筆集 第二巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店、1997(平成9)年5月6日第70刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2347_13818.html
  2. 青空文庫(2003年2月17日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十一巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2759_8763.html
  3. 青空文庫(2005年6月26日作成)(底本:「青春をいかに生きるか」角川文庫、角川書店、1981(昭和56)年7月30日改版25版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000256/files/43132_18849.html