赤子

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

 

  1. せきし, あかご乳児赤ん坊
    • 有信は旗本伊沢の家に妾腹の子として生れた。然るに父の正室が妾を嫉んで、害を赤子に加へようとした。有信の乳母にゅうぼが懼れて、幼い有信を抱いて麻布長谷寺に逃げ匿かくれた。(森鴎外『伊沢蘭軒』)
  2. せきし 比喩)人民
    • アジヤ諸国においては、国君のことを民の父母と言い、人民のことを臣子または赤子せきしと言い、政府の仕事を牧民の職と唱えて、支那には地方官のことを何州の牧と名づけたることあり。(福沢諭吉学問のすすめ』)
    • 龍顔はくもって、はたと、ご苦悶のいろかのように仰がれた。七歩ノ詩聖慮にとり決してご愉快な詩であろうはずがない。万民は赤子せきしとか。たとえ、どういう御理想によろうが、たたかいは帝王の最大な罪と御自身責められているはずである。戦とは――豆ヲ煮ニルニ豆ノ豆ガラヲク――ようなもの。また――モトコレ根ハヒトツカラ生ジタモノ――。どんなたたかいにせよ、赤子せきしの殺し合いは、それだけでも最大な御悲嘆でなければならない。(吉川英治 『私本太平記 風花帖』)

中国語[編集]

名詞[編集]

 chìzǐ

  1. 乳児赤ん坊
  2. (比喩)人民