軍靴

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本語[編集]

この単語の漢字
ぐん
第四学年

常用漢字
音読み

発音[編集]

名詞[編集]

軍靴(戦闘靴2型陸上自衛隊

(ぐんか)

  1. (軍事, 履物) 軍人が主に任務中に履く戦闘靴
    • 1946年、太宰治「未帰還の友に」[1]
      ざッざッざッという軍靴の響きと共に、君たち幹部候補生二百名くらいが四列縦隊で改札口へやって来た。僕は改札口の傍で爪先き立ち、君を捜した。
    • 1958年、山川方夫「その一年」[2]
      ライターを灯して、兵士は腕時計をながめた。「ふん、一時だ」前にまわって行く軍靴の音がとまると、ふいに聞きなれた物音がきこえてきた。
  2. (比喩的に, 「軍靴の響き」等の用法で) 戦争始まる気配好戦的世論
    • 1951年、坂口安吾「明治開化 安吾捕物」[3]
      ちょうどその頃は薩長軍が江戸をさして攻めのぼってきた時であった。ちかい辺地とても、流言ざわめき軍靴恐怖たちこめている。
    • 1997年、「行政改革会議最終報告」[4]
      次なる転換期は、1920年頃に訪れる。それまでの驚異的な成長力と適応力の下に着実に近代国家への歩みを進めてきたわが国は、第一次世界大戦後の恐慌の発生と日英同盟の廃棄、そして満州事変、国際連盟脱退、二・二六事件への事態の展開のなかで、次第に軍靴の高鳴りに包まれ、やがて戦争への坂道を転げ落ちていくことになる。

関連語[編集]

翻訳[編集]

[編集]

  1. 青空文庫、2000年4月7日公開、2005年11月4日修正(底本:「太宰治全集8」ちくま文庫、筑摩書房、1989(平成元)年4月25日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/297_20163.html
  2. 青空文庫、2016年1月1日作成(底本:「愛のごとく」講談社文芸文庫、講談社、1998(平成10)年5月10日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001801/files/57062_58179.html
  3. 青空文庫、2006年5月11日作成、2016年3月31日修正(底本:「坂口安吾全集 10」筑摩書房、1998(平成10)年11月20日初版第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43210_23217.html
  4. 『最終報告 平成9年12月3日 行政改革会議』(行政改革推進本部事務局ホームページ) https://www.gyoukaku.go.jp/siryou/souron/report-final/I.html 政府標準利用規約(第2.0版)で公開。2023年11月4日参照。