トーク:いたこ

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
最新のコメント:18 年前 | トピック:琉球方言「ユタ」「ノロ」 | 投稿者:Midville
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琉球方言「ユタ」「ノロ

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琉球方言で巫女を言う「ユタ」「ノロ」も各々「イタコ」と「のる、のりと」と同源だと思うのですが、言語学的に確証が有りません。もしそうであれば、関連語に追加できませんか?----Mtodo 2006年5月18日 (木) 14:13 (UTC)返信

おお、すばらしい。流石。私も琉球語(沖縄方言)の「のろ」には注目していました。「ゆた」は不勉強で知りませんでした。「のろ」を意識して「のり」を関連語にしたのです。ただ、「のろ」はむしろ「呪ひ(のろひ)」「呪ふ(のろふ)」の方の関連語にすべきかなと思って保留しておりました。「のろ」は、比較言語学的には申し分なく「のる、のりと」の関連語でしょう。
「ゆた」の方は、琉球語が u, o → u; i, e → i の母音融合の音韻変化の歴史を持つ以上、まず「よた」をも視野に入れて、日本語の古語の方で先に探さなくてはなりません。真っ先に浮かぶのが「よたよた」というオノマトペや「与太者」の「よた」ですが、どうも近世語のようです(古い形は語義の異なる「ゆた(ゆった)」)。すると後、古い語では「よだり(涎)」くらいしか出てこないのですが、「yödari」とすると、ö と a の間には断絶がありますから、もとは一語ではなく「yö-dari」であると推定できます。語義も「ゆた」と違います。
一方、上代語に「野ろ(のろ)」「寛(ゆた)」両方あるのですが、語義が離れすぎなので、どちらも別語源でしょう。
すると、最後に必要なのは、琉球語「ユ」の古い形が i か u であると推定できる、あと二三の「ユ」で始まって日本語かアイヌ語の古い語の i- か u- に対応する琉球語があるかどうかです。あるだけではダメで語義が同じか、極めて近くなければなりません。ご存知ありませんか。
ちなみに私が琉球方言と言わずに琉球語(沖縄方言)というのは、世界的な潮流では日本語はすでに孤立言語ではなく、日本語と琉球語から成る日本言語 (Japonic language) とされているからです。実際、計量言語学的には、日本語東京方言と琉球語の方が、別言語とされるドイツ語と英語や、フランス語とイタリア語よりも距離が遠いのです。--Midville 2006年5月18日 (木) 16:06 (UTC)返信