寛恕

日本語

名詞

寛恕 (かんじょ)

1. 心が広くて思いやりのあること。また、そのさま。
   • 哀れな芸術の追求者たる小生にただ軽い微笑と小さな寛恕とを彼等一団の文芸記者――詩人文士達にお送りする丈の光栄を有しさへすれば凡てが無事なやうに思はれます。（北原白秋^(wp) 『わが敬愛する人々に[1]』）〔1987年〕
2. 過ちなどを咎め立てしないで許すこと。
   • 筆者の勉強はそこにまで到っていない。その点については読者の寛恕を乞わなければならない次第であると思っている。（宮本百合子 『今日の文学の展望[2]』）〔1952年〕
   • 只管（ひたすら）御寛恕御承引のほどお願い申上げます。（例文1・2ともに、太宰治^(wp) 『虚構の春[3]』）〔1975年〕
   • 返す返す済まないが、右の事情を御賢察のうえ御寛恕下さい。（上に同じ）

動詞

1. 罪科を許す。
   • 暑くッてたまらないので、むやみにうちわを使っていると、どこからか、「寛恕して頂戴よ」という優しい声が聴える。しかしその声の主はまだ来ないのであった。（岩野泡鳴 『耽溺[4]』）〔1970年〕

活用と結合例

寛恕-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
寛恕	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	寛恕しない	未然形 + ない
否定(古風)	寛恕せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	寛恕される	未然形 + れる
丁寧	寛恕します	連用形 + ます
過去・完了・状態	寛恕した	連用形 + た
言い切り	寛恕する	終止形のみ
名詞化	寛恕すること	連体形 + こと
仮定条件	寛恕すれば	仮定形 + ば
命令	寛恕しろ 寛恕せよ	命令形のみ

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中国語

動詞

寛 恕 (kuānshù 簡体字:宽恕)

1. 寛容に罪科を許す。

類義語

• 宥恕