ベクトル空間

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日本語[編集]

名詞[編集]

ベクトル空間(ベクトルくうかん)

  1. (数学)いくつかの条件を満たすスカラー倍定義された集合。具体的には、ある集合 V任意の2つの X, Y に対して和と呼ばれる新しい元 X + YV唯一つ定まりV の任意の元 X とある K の任意の元 a の間にスカラー倍と呼ばれる新しい元 aXV が唯一定まり、次の8つの性質が満たすときの集合 VV の元をベクトルと呼び、K の元をスカラーと呼ぶ。
    • ベクトルの和に分配法則 (X + Y) + Z = X + (Y + Z) が成り立つ。(X, Y, ZV)
    • ベクトルの和に交換法則 X + Y = Y + X が成り立つ。(X, YV)
    • ベクトルの和に単位元あるいはゼロベクトルと呼ばれる X + O = X を満たす OV が存在する。
    • ベクトルの和に逆元あるいは逆ベクトルと呼ばれる X + Y = O を満たす YV が存在する。
    • スカラーの和に対してスカラー倍の分配法則 (a + b)X = aX + bX が成り立つ。(XV, a, bK)
    • ベクトルの和に対してスカラー倍の分配法則 a(X + Y) = aX + bY が成り立つ。(X, YV, aK)
    • スカラー同士の乗法とスカラー倍の間で (ab)X = a(bX) が成り立つ。(XV, a, bK)
    • スカラー倍に 1 X = X を満たす単位元 1 ∈ K が存在する。

用法[編集]

スカラー倍を規定する体 K と合わせてベクトル空間が決まるため、ベクトル空間 V のことを「K 上のベクトル空間」などと言い表す。

類義語[編集]

翻訳[編集]