出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

漢字

[編集]

字源

[編集]
  • 不詳。字形の由来として、舟の形[字源 1]、「」の変形[字源 2]、農具()の形[字源 3]、「」(「」の原字)の変形[字源 4]など多数の説が存在するが定説はない。のち仮借して「向き」「やりかた」を意味する漢語{ /*pang/}に用いる。

甲骨文字 金文

簡帛文字

小篆

流伝の古文字
西周

戦国時代 説文
(漢)
《六書通》
(明)
  1. 許慎『説文解字』:「併船也」
  2. 林義光 『文源』 1920年、第3巻4頁。
  3. 徐中舒 「耒耜考」 『中央研究院歴史語言研究所集刊』第2本1分 1930年。
    張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、2153-2157頁。
  4. 裘錫圭 「釈“無終”」 中国古文字研究会第八届討論会、江蘇太倉、1990年。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、477-478頁。
    徐超 『古漢字通解500例』 中華書局、2022年、47-48頁。

関連字

[編集]
」を音符とする形声文字 (諧声域=*PANG)
幫母 滂母 並母
一等 平声 唐韻 𨢐 𣂆 𨜷
上声 蕩韻 -
去声 宕韻 -
入声 鐸韻
幫母 滂母 並母
二等 平声 庚韻 𩡕𣂆𨍩
上声 梗韻 -
去声 映韻 -
入声 陌韻
幫母 滂母 並母
三等A 平声 陽韻
上声 養韻 仿 -
去声 漾韻 𨾔
入声 藥韻 -
幫母 滂母 並母
三等B 平声 庚韻 -
上声 梗韻 - -
去声 映韻 -
入声 陌韻 - -

意義

[編集]
  1. 向き
    • 方角、方向
  2. やりかた
    • 方法、方針、方策、処方、薬局方
  3. 四角
    • 方形、方眼、方墳
  4. どちらか
    • 片方、諸方

日本語

[編集]

発音

[編集]

名詞

[編集]
  1. かたむき
  2. かたみちてだて
    • やり
  3. かた)人を指し示す場合の尊敬表現。
    • こちらの
  4. ホウ)漠然とした方向、方面、地域。
    • むこうのに行けば分かる。
  5. ホウ)対立する一方の側。
    • 敵のから和議を申し入れてきた。
  6. ホウ)複数あるもののうち特定のもの。
    • その人じゃなくてその隣にいる丸顔のほうをこっちへ呼んで。
    • 4つの選択肢のうち3番のほうを選んだかたが正解です。
  7. ホウ)案件、依頼、注文内容などを漠然と表す。
    • ではご連絡のよろしくお願いします。
    • ご注文はラーメンのでよろしかったでしょうか。
  8. ホウ)比較において優勢な側を表す。
    • この服のがいいと思う。
    • やめといたほうが…。(「いいのではないか」などが省略されている)
  9. ホウ比較的、わりと、どちらかと言えばそうであるさまを表す。
    • 本はよく読むです。
  10. ホウ、古)人を指し示す表現。
    • その、何者じゃ。

接尾辞

[編集]
  1. がた)複数の人に対する尊敬表現。
    • 先輩方、皆様方、各々方
  2. 人を丁寧に表現する言葉
    • 相手方、貴方、奥方、殿方、おひと方おふた方
  3. 住所などで、同居していることを示す言葉

熟語

[編集]

手書きの字形について

[編集]
  • 第1画の書き方は、点を打つように左から右に打っても、下にまっすぐに下ろして書いてもよい。[1]

中国語

[編集]

*

形容詞

[編集]
  1. 四角形の。

副詞

[編集]
  1. (文章語) まさに今し方

接尾辞

[編集]
  1. 方位詞を構成する。

人名

[編集]
  1. 中国人のの一つ。百家姓第56位。

熟語

[編集]

朝鮮語

[編集]

*

人名

[編集]
  1. 朝鮮人のの一つ。

ベトナム語

[編集]

*

名詞

[編集]
  1. 方法方向地域

コード等

[編集]

点字

[編集]

脚注

[編集]