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奇貨居くべし

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

日本語

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成句

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奇貨くべし (キカ・オくべし)

  1. 一見、価値がないように見えるが、滅多にない機会なのでそれを逃すものではないの意。
    • 前回の通り、親友生胆いきぎも資本もとでにして、長崎の鯨取引に成功した湊屋仁三郎は、生れ故郷の博多に錦を? 飾り、漁類問屋をやっている中に、日露戦争にぶっつかり、奇貨おくべしというので大倉喜八郎の牛缶に傚って、軍需品としての魚の缶詰製造を思い立ったが、慣れない商売の悲しさ、缶の製造業者に資本を喰われて、忽ち大失敗の大失脚。(夢野久作『近世快人伝』)

由来

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司馬遷史記呂不韋伝』より

【白文】子楚、秦諸庶孽孫、質於諸侯。車乘進用不饒、居處困、不得意。呂不韋賈邯鄲、見而憐之曰、此奇貨可居。
【訓読文】子楚、の諸庶孽孫、諸侯に質たり。車乘進用饒(ゆた)かならず、居處困(くる)しみ、意を得ず。呂不韋邯鄲に賈ふに、之を見、憐みて曰はく、此奇貨居くべしと。
【現代語訳】子楚(後の秦の荘襄王、始皇帝の父)は、秦王の数多くいた妾腹の一人で、諸侯(、都は邯鄲)に人質に出されていた。(母国から見放されていたので)乗り物や身の回りの品は貧しく、住まいもみすぼらしいもので、手元不如意であった。呂不韋が、邯鄲に仕入れに出かけたとき、子楚に出会い、憐れんで言った、「これは掘り出し物だ。とっておこう」と。

翻訳

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