むしろおり

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日本語[編集]

名詞[編集]

むしろおり(り)(り)(り)

  1. (語義1)を編むこと。莚打ち。また、それを生業にする人。
    • ここ両三年は馬上に長槍をとって、忘れはてていたが、幼少から衣食してきた生業なりわい莚織むしろおりはたは、今なお、この故郷の家では休んでいなかった。(吉川英治三国志 桃園の巻』)〔1939年頃〕[1]
    • 夜が明けると、母親は、この唄の声を聞いた話を近くにいた蓆織むしろおおうなに話した。(芥川龍之介「貉」)〔1917年〕[2]
  2. 締機しめばたを用いて、太いたて糸で織り締めて防染することで、絣の文様を出す織物[3]。経糸の太さが莚に似る。
    • 今日は紺の縞羅紗しまらしゃの背広に筵織むしろおのズボン、鳥打帽子を片手に、お光の請ずるまま座敷へ通ったが、(小栗風葉「深川女房」)〔1905年〕[4]
  3. 東京都青梅市付近で作られる海老茶地に黄縞の綿織物[5]

類義語[編集]

脚注[編集]

  1. 吉川英治 (1939年頃)『三国志 桃園の巻』, 青空文庫, https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52410_51061.html
  2. 芥川龍之介 (1917)「貉」, 「読売新聞」の「日曜附録」欄が初出, 青空文庫, https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/102_14482.html
  3. 筵織りとは - きもの用語大全 http://www.so-bien.com/kimono/syurui/musiroori.html
  4. 小栗風葉 (1905)「深川女房」, 『新小説』1905年3月, 青空文庫, https://www.aozora.gr.jp/cards/000241/files/46647_26140.html
  5. 精選版 日本国語大辞典.“筵織”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2023年2月3日閲覧。