ところ

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

ところ

  1. あることをする物理的空間場所
    • 何でも薄暗いじめじめしたでニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。(夏目漱石吾輩は猫である』)
    • 食う寝るところに住むところ
    1. (ある人のところ)ある人がいる場所。(住んでいる場所や、いつも仕事をしている場所など)
      • お盆休みには毎年おじいちゃんのところに行きます。
    2. (「おところ」の形で)ご住所
  2. (他と区別される)集団、コミュニティ。
    • 映画界というは忘れっぽいである。(伊丹万作 『映画界手近の問題』)
    • 変われば品変わる
  3. あるものや状況に属する性質の一部分、一状態、一状況一面
    • 幼いときから内気だった私にとって、お兄ちゃんの陽気で優しいところはとても好きだった。
    • リーダーにばかり人気が集まり、結局おいしいところは全部彼に持って行かれてしまった。
    • 殊に、教養ある相当年配の婦人に扮する場合、今のまま進んだのでは、大に物足りないところがある。(岸田國士 『抽斗にない言葉』)
    • まちの美化活動も、身近なところから始めてみてください。
    • 仄聞するところでは、次の人事は大規模なものになりそうだ。
    • まあ、そんなところでしょうかね。
    1. 抽象的な概念の、それを特徴づける性質の一部分。
      • 人間の最奥なるところ、之を人間の空と言ひ、造化の最奥なるところ、之を造化の霊と言ふ。(北村透谷 『万物の声と詩人』)
    2. 論理的な推論の状態、結論。
      • そのことについていろいろ考えてみたが、結局同じところに行き着いた。
  4. 経過中の状態、場面、局面。
    • ソーセージと法律は作るところを見ないほうがいい。
    • 皆が落ち込んでいたところに、嬉しいニュースが入ってきた。
    • 前半の演技ではミスが一つもなくていいところだったのに、最後に大失敗をしてしまった。
    • お楽しみのところを申し訳ありませんが、もう少し声を小さくお願いできませんか。
    • いま目を覚ましたところだ。
    • すぐにも出かけるところだ。
    1. (多く「ところだった」の形で)実現しそうな状態、場面、局面。
      • もう少しでぶつかるところだった。
      • おい気をつけろ。事故を起こすところだぞ。
      • メダルに手が届くところだったのに、ゴール目前で転倒してしまった。
  5. 本来あるべき状況。接続助詞のように用いることもある。
    • 発言すべきところで発言せず、しなくていいところで発言する。
    • 日比谷駅で持ち合わせするところ(を/が)、渋谷駅へ行ってしまったらしい。
  6. (「動詞 + 」に接続、接続助詞のように用いる)時系列にそって説明するように接続する。
    • 試しに電源をつないでみたところ、故障して使えない状態であることが分かった。
  7. (接続助詞のように用いて)〜のような態度で言うと。〜の観点では。
    • 正直なところ、簡単に勝てる相手ではない。
    • 私の見たところ(では)、勝機は十分にありそうだ。
  8. (「ところで」の形で接続助詞のように用いて)逆接、譲歩を表す。〜しても。
    • いくら考えたところで、解決法は見つからない。
  9. ある行為対象
    • この際にあたりて、ひとり我が義塾同社の士、固く旧物を守りて志業を変ぜず、その好むところの書を読み、その尊ぶところの道を修め、日夜ここに講究し、起居常時に異なることなし。(福沢諭吉 『中元祝酒の記』)
    • 自分の信ずるところによつて急がず騒がず行動してをる。(高浜虚子 『川端茅舎句集 序』)

関連語[編集]

複合語[編集]

翻訳[編集]

語義1: 場所