例によって

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

副詞[編集]

によって (れいによって)

  1. いつもよく起こる行うことと変わらないさま。相変わらず普段のように。
    • 1909年、夏目漱石「それから」[1]
      相談が済むと、寺尾は例によって、文学談を持ち出した。不思議な事に、そうなると、自己の翻訳とは違って、いつもの通り非常に熱心になった。
    • 1921年、寺田寅彦「春六題」[2]
      アインシュタインが自分の今度書くものを理解する人は世界じゅうに一ダースとはあるまいと言ったそうである。この言葉がまた例によって見当違いに誤解されて、坊間に持てはやされている。そして彼の理論の上に輝く何かしら神秘的の光環のようなものを想像している人もあるらしい。
    • 1925年、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」[3]
      私はその晩も、例によって、一杯の冷しコーヒーを十分もかかって飲みながら、いつもの往来に面したテーブルに陣取って、ボンヤリ窓の外を眺めていた。

翻訳[編集]

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  1. 青空文庫、2013年6月13日作成(底本:「それから」新潮文庫、新潮社、2013(平成25)年2月15日141刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/56143_50921.html
  2. 青空文庫、2003年5月20日作成(底本:「寺田寅彦随筆集 第一巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店、1997(平成9)年12月15日第81刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2440_10298.html
  3. 青空文庫、2016年1月1日作成(底本:「江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者」光文社文庫、光文社、2004(平成16)年7月20日初版1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/56650_58209.html