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有知無知三十里

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

日本語

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成句

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有知無知三十里(ゆうちむちさんじゅうり)

  1. 知恵のある者とない者とでは、大きな隔たりがあること。

由来

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古代中国、曹操そうそう楊修ようしゅう[1]を連れて曹娥そうが[2]石碑のそばを通ると、その石碑には「黄絹幼婦外孫齏臼こうけんようふがいそんせいきゅう[3]の文字があった。曹操はその文字の意味が分からないので、楊修にたずねたところ、彼にはその意味が分かった。曹操は答えを伏せさせて、道を行きながら考えたところ、「黄絹」は色のついている糸で「絶」、「幼婦」は少女で「妙」、「外孫」はむすめ)の子で「好」、「齏臼」はからしを受けるうすで「[4]といった具合に謎ときをして、碑文の意味が「絶妙好辞」であると導き出したが、その時にはすでに三十里も進んだ後だった。このことから曹操は、自分の才能は楊修には遠く及ばず、その差は三十里もある、と悟った故事から。出典は『世説新語せせつしんご』「捷悟しょうご」。

関連語

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脚注

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  1. 「楊脩」とも書かれる。
  2. 人名。漢時代の孝行な女子。
  3. 「齏」の字には「韲」「虀」(U+8640)「䪡」(U+4AA1)などの表記ゆれがある。なお、これらすべての文字を異体字の関係にあるとみる向きもある。
  4. 「辤」は「辞」の俗字