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煙に巻く

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

日本語

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成句

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けむ

  1. (通常、受け身で用いて)(特に火事などの場合に)煙につつむこと、また、煙につつまれて前後左右の方向感を失わせること。
    • 火は益燃え拡がつた。鳥は苦しさうに鳴きながら、何羽も赤黒い空へ舞ひ上つた。が、すぐに又煙に巻かれて、紛々と火の中へ落ちて行つた。(芥川龍之介 『老いたる素戔嗚尊』)
  2. 一方的に言葉をまくし立てるなどして、相手に考えさせず、ごまかすこと。
    • その色分けや命名を試みて世間を煙に巻いたつもりでいる文士連の中から問わず語りに申訳のような言葉が洩れて出て来る、その一つには「大衆文芸とは多数の為に書くもので純文芸とは自分の書きたいままを書く芸術である」と斯ういうことを云い出した者もある(中里介山『余は大衆作家にあらず』)