そばふ

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古典日本語[編集]

動詞[編集]

そばふふ】

自動詞
  1. 馴れてたわむれる。ふざける。あまえる。
    • 馴れ親しんであまえる。
    そばへたる小舎人童(こどねりわらは)などに、ひきはられて泣くもをかし《枕 三九》
    • 度を越して馴れ馴れしくする。人を軽んじてふざける。
    あしき女ばうの事〈略〉人そはへたるものわらひ《宗祇短歌(江戸初)》
    • (犬・猫・虎などの動物が)じゃれる。
    目貫(めぬき)はくりから不動に猫のそばへる所を物ずき《浮世草子・御前義経記 七》
  2. そよ風がやわらかに吹く
    初花のひらけはじむる梢よりそばへて風の渡るなりけり《山家集(12C後)上》
  3. 日が照っているのに、小雨が降りすぎる。《俚言集覧(1797頃)》
他動詞
  1. あまえさせる。安楽にする。
    身外のことを案じつづくれば、身をそばへふるべきやうもないぞ《中華若木詩抄(1520頃)中》
  2.  (「…をそばふ」の形で用い) …とふざけ、たわむれる。いたずらをする。
    三斑(みけ)の小猫の珠数をそばへて駆け出たるを《浮世草子・好色万金丹 五》
  • 歴史的かなづかいについて、「疑問仮名遣」では「万葉集」の「いそばふ」(ただし四段活用)と関連のあるもの、さらに中古の「おそばふ」の略であるとして「そばふ」と認めている。
  • 室町時代頃からヤ行にも活用した。→そばゆ

活用[編集]

そば-ふ 動詞活用表日本語の活用
ハ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
そば ふる ふれ へよ