たはぶる

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古典日本語[編集]

発音[編集]

五拍動詞二類(?)

動詞[編集]

たはぶるる】

  1. (上代語)そのものに対して、興のおもむくままにふるまう。遊び興ずる。無心に遊ぶ。
    立てれどもをれどもともにたはぶれ(万葉集 第五巻 05/0904)
    夏の事なれば、何となう河の水に(タハフレ)給ふほどに《高野本平家(13C前)三》
  2. 本気でないことや、ふざけたことを言う。冗談を言う。また、とりとめもないことを言う。
    人に戯れ、物に争ひ(徒然草 七五)
    我に並び給へるこそ君はおほけなけれとなむたはぶれ聞え給ふ《源氏 玉鬘》
  3. 本気でなく、事をする。遊び半分のふるまいをする。また、相手を軽くみて、ふざけかかる。
    慢(みたり)がはしく八正を乖きて、戯れて百非に入る《大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点 八》
  4. (性行為) いい男女は色っぽい悪戯をし合う。
    あさましと思ふに、うらもなくたはぶるれば(蜻蛉(974頃)中)
    『ソレソレ、爾(さ)う手を上げた所を、恁(か)う緊め付けたものぢゃ』ト戯る(歌舞伎・三十石艠始(1759)四幕)

活用[編集]

たはぶ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
たはぶ るる るれ れよ
  • 「春曙抄本枕草子」の例は、諸写本には「たはふれ」とある。