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ながら

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

日本語

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助詞

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ながらら】(名詞・体言接続、形容動詞語幹接続、動詞・動詞系助動詞連用形接続、形容詞終止形接続)

  1. …のままで。…の性質そのままに。
  2. …しながら。…とともに。…しつつ。…と同時に。《同時進行》
    • 食ひながら文をも読みけり。(『徒然草』)
    • 竜田山よもの梢の色ながら、鹿のね誘ふ秋の河風。(『拾遺愚草』)
    • おれは六百円の使用法について寝ながら考えた。(夏目漱石坊っちゃん』)
  3. …も含めて全て。…の全て。…中。
    • 荻の露、玉にぬかんと取れば消ぬ。見ん人は枝ながら見よ。(『古今和歌集』222)
    • 君はさらにもの恐ろしくて、顔ながらひき被きて臥し給へり。
    • その主人は桑原家の二度目の養子で、子息達は三人ながら彼の実子ではなかつた。(牧野信一『淡雪』)
  4. …ではあるが。《同時進行かつ逆接。中古以降の用法。》
    • われながら
    • あはれなることなど、人の言ひ出で、うち泣きなどするに、げにいとあはれなりなど聞きながら、涙のつと出で来ぬ、いとはしたなし。(『枕草子』)
    • 『今日はお精進かい?』とでも、箸を取りかけながら夫がいはうものなら、お里はそれが十分不足を意味してるのではないと知りながら、『だつて今月の末が怖いぢやありませんか。』と、忽ち怖い顏になつて聲を荒だてる。(水野仙子 『神樂阪の半襟』 引用の後者、前者は語義2)
    • 汽車では一車室全体が独占され、そのなかでブランコ乗りは不十分ながらなんとかふだんの生活のしかたにかわるように、旅のあいだ上の網棚で時を過ごす。(フランツ・カフカ 原田義人訳『最初の苦悩』)
    • 特定の場所へ行かなければ見られないという苛酷な制限が映画の本質であるかどうかはまだ疑問としておきたいが、残念ながら現在のところでは映画の普及率は新聞雑誌やラジオの浸透性には及びもつかないのだという簡単な事実に今さら私は眼を見張つているのである。(伊丹万作 『映画の普及力とは』)

造語成分

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  1. 他のことと同時に行うことを表す。
    • ながら勉強

関連語

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