モジュール・トーク:日本語活用表

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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「名詞化」の用語が不適当な理由[編集]

以前から気になっていたのでここで説明します。

  1. まず、日本語版ウィクショナリーは、日本語文法について、橋本文法に基づく学校文法に従っているものと考えますが、この文法において、用言が連体形活用で名詞にかかる場合には、基本的に文節を異にし連体修飾語と解されます。「こと」はその前で文節が切られます(文節の仕様について - コーパス開発センター - 国立国語研究所)。複数の文節にわたる「語」は想定され得ないため、そもそも「語」とは言えません。語でないならば、名詞という品詞(語を語義的・統語的・形態的特徴から分類したもの)の適用はできず、「名詞化」は適当ではありません。
    文節形成/非形成の例
    • 彼は右上がりの書き癖がある。(「書き癖」で一語の名詞 - 名詞同士の複合名詞)
    • 彼は右上がりに書く癖がある。(「書く」(連体修飾語)+「癖」(体言)で名詞を構成していない)
    「こと」はあまりいい例ではないけど、
    • あの連中ともうはかりごとはない。
    • あの連中ともうはかることはない
  2. 言語学的には、ある語が本来もっていた文法上の特性を失って、他の品詞としての性質を持つようになることを「転成」と言い、名詞化とは用言等の名詞への転成をさすかとおもいますが(例.日本語連用形名詞の自立性の段階について - 国立国語研究所)、手元の『明解日本語学辞典』の「名詞」の項には、以下の記述があります。
    • ほかの品詞からの転成によって名詞になったものもある。たとえば、(中略)動詞の連用形が名詞に転成したものである。また、(中略)形容詞・形容動詞に接尾辞「さ」「み」がついて名詞になったものもある。(森山卓郎・渋谷勝己編『明解日本語学辞典』「名詞」-文.安部朋世 より)
    とあり、「+こと」は、「転成」の範疇に含めてません。

以上から、「+こと」を「名詞化」と言うのは不適当だと考えます。--Mtodo (トーク) 2021年8月11日 (水) 10:01 (UTC)[返信]

前後の文脈を無視して「+こと」に変えてしまうと意味が通らなくなりますので、変更するにしても別の言葉を使っていただきたいです。例えば「名詞的用法」ではどうですか? --Naggy Nagumo (トーク) 2021年8月17日 (火) 13:27 (UTC)[返信]
いま気づきました。語とそうでないものを厳密に分けたいということであれば、「…すること」は「こと」を主要部とする名詞句なので、変更案としては「名詞句化」が順当と考えます。--Yapparina (トーク) 2021年10月18日 (月) 13:36 (UTC)[返信]
「名詞句」なら厳密さに問題はないです。--Mtodo (トーク) 2023年5月25日 (木) 17:02 (UTC)[返信]