コンテンツにスキップ

帯説

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

日本語

[編集]

語源

[編集]

大槻文彦おおつきふみひこ編『大言海』の序文「本書編纂へんさんに当りて」で、中国語における表現方法として「不用の語を附帯せしめて用ゐること」として紹介されたことが由来とされる[1]。中国語には同音の漢字が多いため、耳で聞いても区別できるように、不要な字を付け加えたと考えられる。

発音

[編集]

名詞

[編集]

(たいせつ)

  1. 反対の、またはついをなす意味の漢字で構成される二字熟語で、一方の字の意味が熟語全体の意味に反映されていない熟語。

具体例

[編集]

熟語全体としての意味に関係しないと思われる字を太字で示す。

  • 「難易度」の「
  • 恩讐おんしゅう彼方かなた」の「
  • 「存亡の危機」[3]の「
  • 「国家治乱(注:国家が乱れること。)に及ぶ時は」[4]の「

また、『大言海』の序文では以下のような事例も紹介されている。

脚注

[編集]
  1. ただし、「職原抄私記しょくげんしょうしき 一」〔1648年〕における「鋳改鏡剣鏡をこそ鋳んに、剣を不可鋳。併如此の文法を帯説タイセチと云也」という用例が後に発見され、『精選版 日本国語大辞典』における新たな用例の一つとして追加された。
  2. 『新明解国語辞典』第八版より。
  3. この用法を誤りとみる向きもある。
  4. 『角川古語大辞典』より。引用文の出典は『武道張合大鑑ぶどうはりあいおおかがみ』。なお、『新漢語林』第二版にもこの意味の記載があり、この意味のほかにも「乱をおさめる」意味の記載もある。
  5. 鳥の羽が赤いことを「翡」、青いことを「翠」というが、「翡翠」全体では緑色しか意味しない。

外部リンク

[編集]

『大言海』本書編纂に当りて