付録:ハンガリー語の数詞
基数
[編集]基数が名詞を修飾する場合、修飾される名詞は複数形ではなく単数形になり、それらが動詞の主語であるとき活用は単数のものとなる。
2のみ kettő と két の2つの語形がある。kettő は数詞あるいは述語となる場合に、két は名詞を修飾する場合に用いる。ただし、口語では kettő が名詞を修飾することもある。
milliárd 以上のものには billió「1兆」 、 billiárd「1000兆」 、 trillió「100京」 がある。
基数の対格形は介入母音を挟んで -t を付ける。介入母音は母音調和に従って -a-/-e- となるが、hat(6) と milliárd(10億) は -o- 、öt(5) は -ö- となる。három(3) と ezer(1000) は母音が脱落してそれぞれ hármat 、 ezret となる。hét(7) は母音が短くなり hetet となる。それ以外の格接尾辞は、名詞の場合の接続に準ずる。
序数
[編集]序数は「~番目の」を表し、基数に接尾辞 -adik/-odik/-edik/-ödik を付けて作る。ただし、1・2・100万・1兆・100京は不規則変化である。3・4・7・10・20・1000についても母音の脱落や長短の変化がみられる。5で終わる基数の序数は -ödik を、6で終わる基数の序数は -odik を付け、それ以外の基数の場合は母音調和に従い -adik/-edik を付ける。
日付の表現では「~月~日」という場合、日が序数の所有形で示される。「1日」のみ不規則変化し elseje となる。 (例) február ötödike ― 2月5日
分数
[編集]分数は「~分の1」を表し、とを除き序数と同じ語幹に接尾辞 -ad/-od/-ed/-öd を付けて作る。egész は「全体の」を表し、は fél (半分)を用いる。
分数の対格形は母音調和に従って介入母音 -o-/-e-/-ö-となる。fél の対格形は felet となる。
回数および度数
[編集]回数は「~回」や「~倍」を表し、基数に母音調和に従って接尾辞 -szor/-szer/-ször を付けて作る。
度数は「~回目」や「~度目」を表し、分数に母音調和に従って接尾辞 -szor/-szer/-ször を付けて作る。ただし、1度目は először (初めて、はじめに)、2度目は másodszor となる。
回数および度数が名詞を修飾する場合は、母音調和に従ってさらに接尾辞 -os/-es/-ös を追加した形を作る。
集合数
[編集]集合数は「~人で~する」を表し、2以上のものは基数の対格形の語幹に母音調和に従って接尾辞 -an/-en を付けて作る。「1人で」は egyedül を用いる。2以上の集合数が動詞の主語となる場合、動詞の活用は複数となる。
番号数
[編集]番号数は「~番の」や「~点」を表し、一部を除き基数の対格形の語幹に母音調和に従って接尾辞 -as/-os/-es/-ös を付けて作る。egyes (1番)は/ɛɟːɛʃ/、tízes (10番)は/tizɛʃ/、húszas (20番)は/husɒʃ/と綴りと発音に乖離がある。
対応する疑問詞
[編集]分数: hányad
回数: hányszor(hányszoros)
集合数: hányan