産物

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日本語[編集]

名詞[編集]

(さんぶつ)

  1. ある土地作り出されたり、採れたりする品物
    • なにしろ昔の中仙道の宿場がすっかり寂れてしまって、土地にはなんにも産物はないし、ほとんどもう立ち行かないことになって、ほかの土地へ立退く者もある。(岡本綺堂「木曽の旅人」)〔1897年〕[1]
    • 今ではたいていの田園の産物もデパートの陳列棚で見られるのであるが、それでもまだ楊梅や寒竹の筍は見られない。(寺田寅彦「郷土的味覚」)〔1932年〕[2]
    • 出雲の産物で是非とも記さねばならないのはいわゆる「黄釉」の焼物であります。(柳宗悦「手仕事の日本」)〔1943年〕[3]
  2. ある物事から生まれたもの
    • 従ってわれわれの有する仏教の殿堂は、六朝時代及びその後における東西文化融合の産物だということになる。(和辻哲郎「古寺巡礼」)〔1919年〕[4]
    • 自由詩は実に資本主義の産物で、平民文化のデモクラシーを代表している。(萩原朔太郎「詩の原理」)〔1928年〕[5]
    • 学期があらたまり、私は幹事をつづけ、民主主義の産物である自治会等の役もひきうけるようになった。(久坂葉子「灰色の記憶」)〔1950年〕[6]

複合語[編集]

類義語[編集]

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  1. 青空文庫(2005年6月26日作成)(底本:「異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二」原書房、1999年7月2日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/43574_18869.html 2019年1月3日参照。
  2. 青空文庫(2004年3月24日作成、2016年2月25日修正)(底本:「寺田寅彦全集 第一巻」岩波書店、1996年12月5日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/24423_15366.html 2019年1月3日参照。
  3. 青空文庫(2013年5月5日作成)(底本:「手仕事の日本」岩波文庫、岩波書店、2010年4月26日第38刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001520/files/51820_50713.html 2019年1月3日参照。
  4. 青空文庫(2010年12月4日作成)(底本:「古寺巡礼」岩波文庫、岩波書店、2006年10月5日第52刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001395/files/49891_41902.html 2019年1月3日参照。
  5. 青空文庫(2007年2月19日作成)(底本:「詩の原理」新潮文庫、新潮社、1975年9月10日27刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/2843_26253.html 2019年1月3日参照。
  6. 青空文庫(2005年5月27日作成、2011年10月9日修正)(底本:「久坂葉子作品集 女」六興出版、1981年6月30日6刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001052/files/4968_18643.html 2019年1月3日参照。