「それ」の版間の差分

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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#* '''それ'''とこれとは話が別だ。
#* '''それ'''とこれとは話が別だ。
#* '''それ'''はないよ。
#* '''それ'''はないよ。
# まさに思い描いていたもの。ぴったり当てはまるもの。
#* ある時西洋人が文楽の舞台で狐を見て非常に感心し、それを見せてもらいに楽屋へ来た。人形使いはあそこに掛かっていますと言って柱にぶら下げた狐をさした。それは胴体が中のうつろな袋なので、柱にかかっている所を見れば子供の玩具にしか見えない。西洋人はどうしても承知しなかった。(中略)そこで人形使いはやむなく立って柱から狐を取りそれを使って見せた。西洋人は驚喜して、'''それ'''だ'''それ'''だと叫び出したというのである。 ({{w|和辻哲郎}}、『文楽座の人形芝居』、1935)
# 一度出した名詞をすぐ後に繰り返して用いるときに使う。翻訳調のやや硬い言い方で、通常は単に省略する。
# 一度出した名詞をすぐ後に繰り返して用いるときに使う。翻訳調のやや硬い言い方で、通常は単に省略する。
#* 東京23区の人口は、大阪市の'''それ'''に比べて3倍以上だ。
#* 東京23区の人口は、大阪市の'''それ'''に比べて3倍以上だ。

2019年3月25日 (月) 13:13時点における版

日本語

代名詞

それ【其、れ】

  1. 会話において、話し手よりも聞き手の方により近いと思われる物事を指す。
    • それは私のコップです。 (この場合、コップは自分よりも呼びかけている相手の近くにあることになる)
  2. すでに話題として取り上げられた事柄。
    • それそれでいいよ。
    • それとこれとは話が別だ。
    • それはないよ。
  3. まさに思い描いていたもの。ぴったり当てはまるもの。
    • ある時西洋人が文楽の舞台で狐を見て非常に感心し、それを見せてもらいに楽屋へ来た。人形使いはあそこに掛かっていますと言って柱にぶら下げた狐をさした。それは胴体が中のうつろな袋なので、柱にかかっている所を見れば子供の玩具にしか見えない。西洋人はどうしても承知しなかった。(中略)そこで人形使いはやむなく立って柱から狐を取りそれを使って見せた。西洋人は驚喜して、それそれだと叫び出したというのである。 (和辻哲郎、『文楽座の人形芝居』、1935)
  4. 一度出した名詞をすぐ後に繰り返して用いるときに使う。翻訳調のやや硬い言い方で、通常は単に省略する。
    • 東京23区の人口は、大阪市のそれに比べて3倍以上だ。
  5. (古用)そこ
    • それへなおれ。

派生語

関連語

日本語の指示詞
  近称-) 中称-) 遠称-) 不定称-)
指示代名詞 これ [複数: これら] それ [複数: それら] あれ [複数: あれら] どれ
指示代名詞 こいつ
こちらさま
そいつ
そちらさま
あいつ
あちらさま
どいつ
どちらさま
連体詞 この その あの どの
場所 ここ
こっから
そこ
そっから
あそこ
 
どこ
どっから
方向 こちらこっち そちらそっち あちらあっち どちらどっち
態様 こう
こんな
こんくらい
こんだけ
そう
そんな
そんくらい
そんだけ
ああ
あんな
あんくらい
あんだけ
どう
どんな
どんくらい
どんだけ

翻訳

感動詞

それ

  1. 思い切りや、勢いをつけるときに発する言葉。
    • それとばかりに昨年の秋からこらへてゐたその芽生の力をいつせいに解きほぐすのである。(若山牧水 『樹木とその葉 自然の息自然の聲』

関連語