- 天知る地知る我知る汝知る
- 天知る地知る我知る人知る
天知る地知る我知る子知る
- 誰も知らない秘密だと思っていても、天地の神は知っているし、私もあなたも知っている、秘密は漏れないものだと思ってはいけない。
- 「花咲爺さんじゃねえけれど、こいつは天道さまがおいらに授けたんだ。三人で呑んじまうことにしべえよ」 二人は、呑むことを盛んに主張する。「呑みたいのは山々だが、そいつはいけねえな。天知る地知るだ。後が怖ろしいぞ」「後が怖ろしいとは、どういうことだ」「拾得物横領というので、呑んじまったことが分かれば、おいらは後ろへ手がまわる」(佐藤垢石 『泡盛物語』 )
『後漢書・楊震列伝』より。『十八史略』の時代には、「神」を「地」として伝わる。
- 至夜懷金十斤、以遺震。震曰、「故人知君、君不知故人、何也。」密曰、「暮夜無知者。」震曰、「天知、神知、我知、子知、何謂無知。」密愧而出。
- (訳・解説)
- (王密は)夜になって、金十斤を懐にし、楊震に賄賂として贈ろうとした。楊震が、「私は君の人となりを知っているのに、君が私の人となり(賄賂を受け取る人間ではない)を知らないのはどういうことだ」というと、王密は「日も暮れて誰も知るまい」といった。楊震は「天も、神も、私も、あなたも知っている。誰も知らないとどうして言えるんだ」といった。王密は恥じ入ってそのまま部屋を出た。