Wiktionary:ロシア語の翻字
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これはロシア語の翻字方法の規則についての項目です。このウィクショナリー独自の翻字方法は従来の学術的翻字方法に基づき、ロシア語の発音を反映させるために変更点を加えたものです。
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А | Б | В | Г | Д | Е | Ё | Ж | З | И | Й | К | Л | М | Н | О | П | Р | С | Т | У | Ф | Х | Ц | Ч | Ш | Щ | Ъ | Ы | Ь | Э | Ю | Я | I | Ѳ | Ѣ | Ѵ |
а | б | в | г | д | е | ё | ж | з | и | й | к | л | м | н | о | п | р | с | т | у | ф | х | ц | ч | ш | щ | ъ | ы | ь | э | ю | я | і | ѳ | ѣ | ѵ |
A a | B b | V v | G g, H h, X x, V v1 | D d | E e, Je je, ɛ2, Jó jó, ó4 | Jó jó, ó5 | Ž ž | Z z | I i | J j | K k | L l | M m | N n | O o | P p | R r | S s | T t | U u | F f | X x | C c | Č č, Š š6 | Š š | Šč šč | ʺ, -7 | Y y | ʹ | ɛ, E e3 | Ju ju, u8 | Ja ja | I i | F f | Ě ě | I i |
注釈:
- “г” は /ɣ/ と発音する場合は h、/x/ と発音する場合は x、男性/中性生格や対格の語尾 (“-ого” = -ovo, “-его” = -(j)evo) にて /v/ と発音する場合は v と翻字する。
- “е” は以下のように翻字する:
- “э” は以下のように翻字する:
- “е” が e と翻字する位置 (注釈2.1.を参照) の場合は ɛ
- それ以外の場合は e
- 活字 (辞書、教科書、若い読者向けの本を除く) において、“ё” は母語話者には滅多に使われず、代わりに点を省いた “е” が使われる。しかし発音と翻字は “ё” と同様である。
- “ё” は “ж”, “ч”, “ш”, “щ” の直後の場合は ó と翻字する。“ё” は基本は常にアクセントが置かれるため jó/ó と翻字するが、単音節語、アクセントが不要な外来語、まれに複合語の場合はアクセントが置かれないため jo/o と翻字する。
- 例:
- 単音節語: лёд (ljod), трёх- (trjox-), четырёх- (četyrjox-)
- 外来語 (まれ): Пёнтко́вский (Pjontkóvskij) (Пентко́вский (Pentkóvskij))
- 例:
- “ч” は /ʃ/ (“ш”) と発音する場合は š と翻字する。
- 正書法が改正される1918年以前の “ъ” で終わる単語の場合、“ъ” は発音しないため翻字しない。
- “ю” は “жю” と “шю” の場合 u と翻字する。
例外
[編集]上記以外にも、以下のような例外が存在する。
- 出没母音や子音の有声化、無声化は翻字に反映しない。
- “-тся”, “-ться” のような動詞の語尾は -tsja, -tʹsja と翻字する。
- 連続する子音内の発音しない子音は翻字に反映しない。
- 歯摩音の変化は翻字に反映しない。
- 例: “сча́стье” = sčástʹje (ščástʹje ではない)
- “жи”, “ши”, “ци” はそれぞれ ži, ši , ci (žy, šy, cy ではない)
- 語尾において、“ж”, “ш”, “щ”, “ч” の後の “ь” は発音には影響を与えないが、ʹ と翻字する。
アクセント
[編集]アクセントが置かれる母音はアキュートアクセント ´ を用いて示す。
- キリル文字: А́, а́, Е́, е́, И́, и́, О́, о́, У́, у́, Ы́, ы́, Э́, э́, Ю́, ю́, Я́, я́
- 翻字: Á, á, Jé, jé, Í, í, Ó, ó, Ú, ú, Ý, ý, É, ɛ́, Jú, jú, Já, já
- 例: ры́ба (rýba)「魚」
廃止された文字:
- キリル文字: Í, і́, Ѣ́, ѣ́, Ѵ́, ѵ́
- 翻字: Í, í, Jě́, jě́, Í, í
- “ё” は外来語でないロシア語の単語では普通はアクセントが置かれるが “ё́” にようにアクセントを示す必要はない。 (テンプレートの自動翻字では推奨されていない)
- まれに、1918年以前のアクセントの置かれた “ѣ” は “ё” のように発音するため、“ѣ̈” のように示す。
- 例: гнѣ̈здышко (gně̈zdyško)
自動翻字と手動翻字
[編集]ロシア語の文章は上記の通りに自動的に翻字される。したがって、手動翻字が必要な場面 (ɛ と翻字されるべき “е” など) は少ない。手動翻字はテンプレートによって指定方法が異なる。
- ほとんどの見出し語テンプレート (
{{ru-noun}}
,{{ru-adj}}
,{{ru-adv}}
など) は、1つ目の見出し語はパラメータ|tr=
に、それ以降はパラメータ|tr2=
,|tr3=
... に指定する。ロシア語限定でないテンプレート ({{l}}
,{{m}}
,{{ux}}
など) も同様。- 例:
{{m|ru|тест|tr=tɛst}}
- 例:
{{ru-noun+}}
と{{ru-proper noun+}}
の見出し語テンプレートとすべての格変化、活用テンプレート ({{ru-noun-table}}
,{{ru-decl-adj}}
,{{ru-conj}}
) は以下のように指定する。{{ru-noun-table|тест//tɛst}}
自動翻字用のモジュールは様々な場面で用いられる。
- 形容詞の “-ого”, “-его” と1918以前の “-аго” は、正しくは -ovo, -evo, -avo と翻字する。この場合も、アクセントが母音に置かれる場合は動作する。例外は次の通り。: “много”, “немного”, “нaмного”, “ого”, “лого”, “сого”, “лего”
- “сего́дня (sevódnja)” は sevódnja と翻字され、“сего́дняшний (sevódnjašnij)” のすべての格変化形は sevódnjašn- のように翻字する。
- “что (što)”, “ничто́ (ništó)”, “что́бы (štóby)”, “чтоб (štob)” (複合語 “что́-то (štó-to)”, “что́-нибудь (štó-nibudʹ)” なども含む) の “ч” は正しくは č ではなく š と翻字する。
- “лёгкий (ljóxkij)” と “мягкий (mjaxkij)” の格変化形と、“лёхч”, “лехч”, “мяхч” が含まれる単語は正しくは -xk-, -xč- のように翻字する。