よし

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日本語[編集]

名詞:由[編集]

よし

  1. (雅語)理由
  2. (雅語)手段
    • 知るよしもない。
  3. (雅語・文書語)伝聞した内容。
    • お元気とのよし伺い、なによりです。

名詞:葦[編集]

よし

  1. 水辺に群生するイネ科の植物であるあしの別名。標準和名は「ヨシ」。学名は Phragmites australis (Cav.) Trin. ex Steud.

語源[編集]

  • 「あし」が「悪し」に通じ縁起が悪いとされたため言い換えられたもの。

成句[編集]

翻訳[編集]

名詞:良[編集]

よしし】

  1. よいこと。
    • 来てよし見てよし。飲むもよし、食べるもよし。
    • よしあし。
    • たいの刺身のように獲りたてもよし、一日ぐらい手当したのもよし、というようなものもあるが、小魚に至っては、なんとしても水切りに近いものをよしとする。(北大路魯山人『料理の妙味』)
  2. (将棋, 囲碁) 優位を保っている状況
    • 先手よし。白よし。
  3. 許可されること。認められること。
    • 帰ってよし。

副詞[編集]

よし

  1. たとえかりによしんば
    • 英国人のかいた山水に明るいものは一つもない。明るい画が嫌(きらい)なのかも知れぬが、よし好きであっても、あの空気では、どうする事も出来ない。(夏目漱石『草枕』)

感動詞[編集]

よしし】

  1. (物事の首尾がよいことを表わす)よろしいオーケー。いいぞ。
    • よし、できた。
  2. 決意を表す。
    • よし、やるぞ。
  3. 了解を表す。
    • よし、分かった。
  4. (多くの場合、繰り返して)ほめたり慰めたりあやしたりするのに用いる。
    • 「黒じゃないの。よしよし」/お高は頭を撫でてやった。黒はクンクン、鼻をならして、その手を舐めまわした。(矢田津世子 『凍雲』)

関連語[編集]


古典日本語[編集]

名詞[編集]

よし

  1. 理由。
  2. 手段。
    • 名にしおはば あふさか山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな小倉百人一首・三条右大臣藤原定方
      その名にふさわしいのというのならば、「逢坂山のさねかづら」よ、蔓を手繰り寄せるように、知れずあの思う人の元へ辿り着く方法があればよいのに。

形容詞[編集]

よしし、し、し、し、し】

  1. よい
基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の種類
よし (-く) -く -し -き -けれ ク活用
-から -かり -かる -かれ

発音[編集]

二拍形容詞二類(?)

副詞[編集]

よし

  1. 不満ではあるが、仕方なく
    • 人皆は萩を秋といふ吾れはを花がうれを秋とはいはむ(万葉集)
    • 心をし君にまたすと思へればこの頃は戀ひつつあらむ(万葉集)
    • 萩の露玉にぬかんと取ればけぬよし見ん人は枝ながら見よ(古今集)
  2. たとえ、かりに、万一。

派生語[編集]