バタ臭い

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日本語[編集]

形容詞[編集]

バタ (ばたくさい)

  1. 西洋だ。西洋にかぶれているさま。
    • 1939年、坂口安吾「市井閑談」[1]
      岡田氏と僕と相談して、Nさんは青い眼が好きだから、バタ臭い酒場へ一夕案内することにした。上野のとある酒場へ行つたのである。
    • 1950年、岸田國士「俳優と現代人の生活」[2]
      われわれが外国の芝居の魅力の一つとしている異国的なあるいは、バタ臭い味が出せるかどうか、疑問だと思う。だからそのためにも一工夫する必要があるんじやあないかと思いますね。
    • 1956年、小金井喜美子「鴎外の思い出」[3]
      レクラム本から選んで、西洋料理めいたものをあれこれと作るのでしたが、母はバタ臭い物はお嫌いなので、お塩梅もなさいません。「少しサラダでも召上って御覧になったら」と申しますと、笑って手を振っていらっしゃいます。

活用[編集]

バタ臭-い 形容詞活用表日本語の活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
バタ臭 かろ
かっ
けれ (無し)
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
推量・意志 バタ臭かろう 未然形 +
否定形 バタ臭くない 連用形 + ない
過去・完了 バタ臭かった 連用形 +
言い切り バタ臭い 終止形のみ
名詞化 バタ臭いこと 連体形 + こと
仮定条件 バタ臭ければ 仮定形 +
様態 バタ臭そうだ 語幹 + そうだ

[編集]

  1. 青空文庫、2010年10月5日作成(底本:「坂口安吾全集 03」1999(平成11)年3月20日初版第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45847_32941.html
  2. 青空文庫、2010年10月5日作成(底本:「岸田國士全集28」岩波書店、1992(平成4)年6月17日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44811_40788.html
  3. 青空文庫、2007年11月26日作成(底本:「鴎外の思い出」岩波文庫、岩波書店、1999(平成11)年11月16日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001247/files/46831_28793.html