命題

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日本語[編集]

名詞[編集]

 (めいだい)

  1. 書物などに題号与えること。または、その題号[1]
    • さあそれなんだがね、僕は最初その言葉を暗号じゃあないかと考えた。が、それは間違いで、『花束の虫』と言うのは、只単に、上杉の書いた二幕物の命題に過ぎないのだが[…](大阪圭吉「花束の虫」)〔1934年〕[2]
    • 東京遠近といふ言葉は生硬で意味の通りにくいことを恐れて、東京の風俗とし、それをそのままこの本全体の命題としました。(木村荘八「東京の風俗 序」)〔1948年〕[3]
  2. 《論理学》判断言葉による表現
    1. 現代論理学においては、平叙文(真偽を問うことの出来る文)、または、それが示す内容のこと。
  3. 《論理学、数学》真偽どちらかである文。
  4. 《数学》定理補題中間程度に重要な、証明された主張
    • 數學上の公理は幾多の定理と系と命題とを産んだ。(阿部次郎「三太郎の日記 第二」)〔1914–1918年〕[4]
  5. 課題。達成すべき問題。
    • 世の中は、それをしなければ、とても生きて居れないほどきびしいところではないのか。生活の基本には、そんな素朴な命題があって、思考も、探美も、挨拶も、みんなその上で行われているもので[…](太宰治「花燭」)〔1939年〕[5]
    • それともひじょうに特別な場合として、金属製造という研究の命題が、特に博士をすっかりひきつけてしまうほどの、ある出来事があったのではなかろうか。(海野十三「金属人間」)〔1947–1949年〕[6]

発音[編集]

め↗ーだい

用法[編集]

  • 岩波国語辞典によれば、語義5は本来は誤用とされる[7]。「至上命題」について「至上命令」との混同による誤用との指摘がある[8]

語源[編集]

(語義2) は、西周が英語:propositionの訳語としたもの[9][10]

翻訳[編集]

朝鮮語[編集]

名詞[編集]

명제

  1. 命題。

ベトナム語[編集]

名詞[編集]

mệnh đề

  1. 命題。

中国語[編集]

発音[編集]

  • ピンイン: mìngtí
  • 注音符号: ㄇㄧㄥˋ ㄊㄧˊ
  • 閩南語: bēng-tê, bēng-tôe

動詞[編集]

 ( (簡): 命题 )

  1. 題目す。

名詞[編集]

命 題( (簡): 命题 )

  1. 命題。

[編集]

  1. 小学館日本国語大辞典第2版は坪内逍遥「小説真髄」での使用を例示する。
  2. 青空文庫(2004年9月26日作成、2016年2月20日修正)(底本:「幻の探偵雑誌1 「ぷろふいる」傑作選」光文社文庫、光文社、2000年3月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000236/files/43419_16658.html 2019年6月3日参照。
  3. 青空文庫(2008年12月11日作成)(底本:「東京の風俗」冨山房百科文庫、冨山房、1989年8月12日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001312/files/47729_33991.html 2019年6月3日参照。
  4. 青空文庫(2011年8月4日作成、2012年4月3日修正)(底本:「合本 三太郎の日記」角川書店、1966年10月30日50版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001421/files/50424_44632.html 2019年6月3日参照。
  5. 青空文庫(1999年9月29日公開、2005年10月22日修正)(底本:「太宰治全集2」ちくま文庫、筑摩書房、1988年9月27日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/281_19987.html 2019年6月3日参照。
  6. 青空文庫(2001年12月28日公開、2006年8月1日修正)(底本:「海野十三全集 第12巻 超人間X号」三一書房、1990年8月15日第1版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/2717_23978.html 2019年6月3日参照。
  7. 岩波国語辞典第7版「命題②」
  8. 小谷野敦『頭の悪い日本語』
  9. 山川偉也「西周『到知啓蒙』に見る西洋形式論理学の本邦への導入について」(St. Andrew's University, Bulletin of Research Institute 19(3),35-46,1994.3.30)[1][2]PDF-P.3(P.37)
  10. 三省堂・大辞林(第三版)「命題」「②英語propositionの訳語として西周が考案。「百学連環」(1870-71年)にある」[3]