「まるで」の版間の差分

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'''まるで'''【[[丸]]で】
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2021年8月22日 (日) 02:32時点における最新版

日本語[編集]

副詞[編集]

まるでで】

  1. 主に否定的な内容の語句を後に続けて。全くすっかり全面的に。徹底的に。
    • 「この式を略してしまうとせっかくの力学的研究がまるで駄目になるのですが……」(夏目漱石「吾輩は猫である」)〔1905年〕[1]
    • それに、あの、甘ったれた、女の描写。わあと叫んで、そこらをくるくると走り狂いたいほど、恥ずかしい。下手くそなのだ。私には、まるで作家の資格が無いのだ。(太宰治「乞食学生」)〔1940年〕[2]
  2. 比喩や類似の表現として。全くすっかりあたかもさながら
    1. 助動詞「ようだ」「ごとし」「みたいだ」などを伴った比喩表現のを後に続けて。
      • これではまるで喧嘩をしに来たようなものであるが、そこへ行くと迷亭はやはり迷亭でこの談判を面白そうに聞いている。(夏目漱石「吾輩は猫である」)〔1905年〕[3]
      • 私そこの桃千代と云う娘と、よく広いつるつるした廊下をすべりっこしたわ、まるで鏡みたいだった。(林芙美子「放浪記(初出)」)〔1930年〕[4]
      • 大体、この建物は、郊外の工場なぞによくある、粗末な南京下見のあまり立派でない建物ではあるが、ただ銀三の部屋のみは、まるで別世界のごとく立派に飾られ(妹尾韶夫「凍るアラベスク」)〔1928年〕[5]
    2. 似ていることを意味する用言を後に続けて。
      • も一人のゆうれいは講演会にまでいらっしったんですが、まるで本物そっくりに作られていました。あなただってこう見たところは、間違いない本物の女の方に見えるんですもの。(室生犀星「蜜のあわれ」)〔1959年〕[6]
      • しかも、不思議なことには、外の学生達から双生児という渾名をつけられていた程、顔形から脊恰好、声音に至るまで、まるで瓜二つだったのです。(江戸川乱歩「パノラマ島綺譚」)〔1927年〕[7]
      • その場所は細長い腰掛で幅はわたしの上腿の四分の三くらい狭く、高さは下腿の三分の二よりも高い。まるで拷問の道具に好く似ているので、わたしは思わずぞっとして退いた。(魯迅「村芝居」)〔井上紅梅訳1922年〕[8]
    3. (断定表現を後に続けて)とてもているさま。
      • そらのてっぺんなんかつめたくてつめたくてまるでカチカチのやきをかけた鋼です。(宮沢賢治「いちょうの実」)[9]
      • そして、都会のこういう名園がだんだんそうなるように、公開的の性質を帯び、春から秋までは、いろいろな設備をして入場者を遊ばせるのである。しかし、冬は手入れかたがた閉場しているので、まるで山中の静けさだった。(岡本かの子「酋長」)〔1938年〕[10]

翻訳[編集]

[編集]

  1. 青空文庫(2004年1月9日作成)(底本:「夏目漱石全集1」ちくま文庫、筑摩書房、1987年9月29日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html 2019年12月29日参照。
  2. 青空文庫(2000年2月10日公開、2004年3月4日修正)(底本:「太宰治全集3」ちくま文庫、筑摩書房、1988年10月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/285_15065.html 2019年12月29日参照。
  3. 青空文庫(2004年1月9日作成)(底本:「夏目漱石全集1」ちくま文庫、筑摩書房、1987年9月29日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html 2019年12月29日参照。
  4. 青空文庫(2007年4月11日作成、2014年6月29日修正)(底本:「作家の自伝17 林芙美子」日本図書センター、1994年10月25日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/45649_26591.html 2019年12月29日参照。
  5. 青空文庫(2012年11月26日作成)(底本:「「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌10」光文社文庫、光文社、2002年2月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001568/files/52467_49653.html 2019年12月29日参照。
  6. 青空文庫(2017年6月25日作成、2019年12月12日修正)(底本:「蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ」講談社文芸文庫、講談社、1993年5月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001579/files/53503_69855.html 2019年12月29日参照。
  7. 青空文庫(2016年3月4日作成、2016年5月8日修正)(底本:「江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚」光文社文庫、光文社、2004年8月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/56651_58766.html 2019年12月29日参照。
  8. 青空文庫(2004年8月22日作成)(底本:「魯迅全集」改造社、1932年11月18日)https://www.aozora.gr.jp/cards/001124/files/43415_16426.html 2019年12月29日参照。
  9. 青空文庫(2011年3月31日作成)(底本:「注文の多い料理店――宮沢賢治童話集 1」青い鳥文庫、講談社、2004年6月7日第52刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/51156_42678.html 2019年12月29日参照。
  10. 青空文庫(2010年3月2日作成)(底本:「岡本かの子全集4」ちくま文庫、筑摩書房、1993年7月22日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/50621_38423.html 2019年12月29日参照。