「省」の版間の差分

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| 성 || tỉnh
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(<small>括弧内は殆ど使われない字音。なおAとBCとで反切が区別されるので同じ上声でも分けて表した。</small>)
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===意義===
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#よく[[みる]]。
#よく[[みる]]。
#:「[[省察]]」
#:「[[省察]]」
#:「退而'''省'''<sub>二</sub>其私<sub>一</sub>、」(退きて其の{{ふりがな|私|わたくし}}を'''省'''<sup>(せい)</sup>するに、)
#:「退而'''省'''<sub>二</sub>其私<sub>一</sub>、」(退きて{{おくりがな2||そ||その}}{{ふりがな|私|わたくし}}を'''省'''<sup>(せい)</sup>するに、)
#::([[:w:顔回|顔回]]が)引き下がってから(わたしが)彼の私生活を''よくみる''と、<span style="font-size:smaller;">([[:s:zh:論語/為政第二|『論語』「爲政第二」]]【二之九】)</span>
#::([[:w:顔回|顔回]]が)引き下がってから(わたしが)彼の私生活を''よくみる''と、<span style="font-size:smaller;">([[:s:zh:論語/為政第二|『論語』「爲政第二」]]【二之九】)</span>
#:::「省」字を「{{おくりがな2|省|み|る|みる}}」と訓読する流儀もある。
#:::「省」字を「{{おくりがな2|省|み|る|みる}}」と訓読する流儀もある。
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#:「蘭省花時錦帳下」([[w:尚書省|蘭省]]<sup>(らんしゃう)</sup>の花の時錦の{{ふりがな|帳|とばり}}の{{ふりがな|下|もと}})
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#::(あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)<span style="font-size:smaller;">(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)</span>
#::(あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)<span style="font-size:smaller;">(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)</span>
#中国およびベトナムの[[地方]]の区分け。[[縣]]より上。([[w:行中書省|行省]]の略。)
#中国およびベトナムの[[地方]]の区分け。[[:w:直轄市|直轄市]]や[[:w:中央直轄市|城舗直屬省]]と呼ばれるものと同等とされる。[[縣]]より上。([[w:行中書省|行省]]の略。)
#:「[[:w:省都|省都]]」、「[[:w:副省級市|副省級市]]」、「[[:w:vi:Thành phố trực thuộc tỉnh (Việt Nam)|城舗直屬省]]」
#:「[[:w:省都|省都]]」、「[[:w:副省級市|副省級市]]」、「[[:w:vi:Thành phố trực thuộc tỉnh (Việt Nam)|城舗直屬省]]」
#:*中国では「<span style="font-size:smaller;">(地名)</span>省」と、[[:w:vi:Từ Hán-Việt|漢越語]]では「省<span style="font-size:smaller;">(地名)</span>」とする。
#:*中国では「<span style="font-size:smaller;">(地名)</span>省」と、[[:w:vi:Từ Hán-Việt|漢越語]]では「省<span style="font-size:smaller;">(地名)</span>」とする。

2010年3月8日 (月) 15:54時点における版

漢字

字源

字音一覧
中古音 現代中国語 日本語 朝鮮語 ベトナム語
三十六字母 中古音の四声 広韻 平水韻 普通話 漢音 呉音 朝鮮漢字音 漢越語
A 心母 上声 静韻 梗韻 xĭng セイ (シャウ)
B 生母 上声 梗韻 shěng (セイ) シャウ
C tỉnh

括弧内は殆ど使われない字音。なおAとBCとで反切が区別されるので同じ上声でも分けて表した。

意義

(括弧内は『広韻』、外は『平水韻』に従う。一致する場合括弧は記さず。)

A: 上声梗(静)韻

動詞
  1. よくみる
    省察
    「退而其私、」(退きてわたくし(せい)するに、)
    顔回が)引き下がってから(わたしが)彼の私生活をよくみると、『論語』「爲政第二」【二之九】)
    「省」字を「る」と訓読する流儀もある。
  2. かえりみる。振り返る。
    反省」、「自省」、「内省」、「三省さんせい
    「吾日三省吾身」(われ日に三つが身をかへりみる。)
    私は毎日三つのことについて自分自身をふりかえることにしている。『論語』「學而第一」【一之四】)
    新註による解釈。これに対して日本における伝統的な解釈による書き下しについては三省の項目をご覧ください。なお、送りがなは「みる」でも「る」のみでも可い。)
    「瞻己、此理必定。」(彼をて己をかへりみるに、此の理必定なり。)
    他人を見上げて(以上のことを観察したあとで)自分自身を振り返(って観察す)ると、このようなことが(自分にも)必ず起こる(ことに気づいた)。最澄『願文(ぐゎんもん)』)
  3. 訪れる。親の安否を夕方にたずねる。(朝にたずねるのをという。)
    帰省」、「定省

BC: 上声梗韻

B: 動詞
  1. はぶく
    省略
    「約者法令而不煩。」(約は法令はぶきてわづらはしからず。)
    (司令官として五番目に大切な)約とは法令が(細かいことを)省略して煩雑でないことである。『吳子』「論將第四」)
C: 名詞
  1. 律令及び日本朝鮮行政組織法において)仕事を行う国家機関。その名は「~省」と名付けられる。なお、日本・朝鮮の「省」にあたるものを、中国シンガポール韓国ベトナムでは「」という。
    尚書省」、「文部科学省」、「厚生労働省」、「財政省」など
    「蘭省花時錦帳下」(蘭省(らんしゃう)の花の時錦のとばりもと
    (あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)
  2. 中国およびベトナムの地方の区分け。直轄市城舗直屬省と呼ばれるものと同等とされる。より上。(行省の略。)
    省都」、「副省級市」、「城舗直屬省

日本語

発音(?)

名詞

  1. ショウ)(歴史)律令制における行政機関。
    1. 隋唐代の律令制下における行政組織(名目的には清代まで継続)で皇帝に直属し、中書省門下省尚書省が置かれ、尚書省の下には実務機関としての六部がおかれた。
    2. 日本の律令制下における行政組織で太政官の下に八省がおかれた。
  2. ショウ)(政治)内閣制度における行政機関で内閣下にあっては最上位層に属するもの。
  3. ショウ)現代中国の地方行政区分。

熟語

中国語

*

熟語

朝鮮語

*

熟語

ベトナム語

*

コード等