なさげ

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

形容動詞[編集]

なさげ無さ気

  1. ~がいかにも無いようだ。直前の格助詞を省いて「~なさげだ」の形でも多用される。
    • 1925年、牧野信一「「悪」の同意語」[1]
      尤もらしく、母親らしい様子を取り繕つて恥も無さ気に済してゐる母の、黄色味の勝つた容色を眺めると彼は、常套的な疳癪を通り越して、油汗の滲む滑稽を感じた。
    • 1949年、原民喜「壊滅の序曲」[2]
      代理で出掛けて来た正三は、こういう席にははじめてであったが、興もなさげにひとり勝手なことを考えていた。が、そのうちにふと気がつくと、弁士が入替って、いま体躯堂々たる巡査が喋りだそうとするところであった。
    • 2019年、奥増夫訳、フレッド・M・ホワイト「くちなしの花」[3]
      フィールド警部補が入室してきて、自分の為に厄介をかけてと、申し訳なさげに丁寧に詫びた。ベリントン大佐を別室で詰問していた堅物とは別人かというほどだった。

活用[編集]

対義語[編集]

脚注[編集]

  1. 青空文庫、2010年1月17日作成、2010年5月23日修正(底本:「牧野信一全集第二巻」筑摩書房、2002(平成14)年3月24日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000183/files/45437_37941.html
  2. 青空文庫、2002年10月10日作成(底本:「夏の花・心願の国」新潮文庫、新潮社、1999(平成11)年5月25日38刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/1853_7028.html
  3. 青空文庫、2019年4月7日作成、CC BY 2.1 JP公開(底本:Fred M. White. The Slave of Silence. Little, Brown, & Company: Boston, 1906.)https://www.aozora.gr.jp/cards/002043/files/59759_67837.html