出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 会意(OC/*krˤəi/)。甲骨文字では「⿸虍𣦵」の会意文字。「虍(虎)」は力強さの象徴、「𣦵(歹)」は農具の形で協力を表す[字源 1]。原義は{諧/*ɡrˤəi/協調する}。仮借して「みんな」を意味する漢語{皆 /*krˤəi/}に用いる。
- 「⿸虍𣦵」が2つの「⿰⿸虍𣦵⿸虍𣦵」となり、更に羨符「口」を加えた「⿱⿰⿸虍𣦵⿸虍𣦵口」(「⿸虍𣦵」×2+「口」)となった。これに「虍」を省略して「⿱⿰𣦵𣦵口」(「𣦵」×2+「口」)となった。金文では更に「𣦵」×2を省略して「从(→比)」に、「口」が「甘(→白)」に訛変し「皆」の字体となる。
- 原字「⿸虍𣦵」の「𣦵」は一部金文で「几 /*KƏJ/」に声符化。甲骨文字で「几」声の形声文字(「㲹」など)で{皆}を表す(通用する)例があることからも「几」声を持つとされる。[字源 2]
- ↑ 沈建華《釋卜辭“協”及有關字》
- ↑ 陳劍《甲骨文舊釋“眢”和“𧗓”的兩個字及金文“𫡋”字新釋》出土文獻與古文字研究 第1輯。
- (みな、みんな)そこに居る人全て。
- (みな、みんな)そこに有る物全て。
字典掲載
康熙字典 |
786ページ, 12文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
22699 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
7629 |
角川大字源 (1992) |
6286 |
講談社新大字典 (1993) |
10501 |
大漢語林 (1992) |
7419 |
漢語大字典 (1986-1989) |
4巻, 2647ページ, 1文字目 |