魅する
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日本語
[編集]動詞
[編集]魅する (みする)
- (他動詞, 文章語) 魅了する。魅力で引き付ける。
- 1927年、宮本百合子「塵埃、空、花」[1]
- 秋、落葉の頃もよい眺望であったが、花が咲いた暁、或は月のある深夜、人気なく花をいただいて歩いたら、さぞ興深いことであろうと思う。日本の春の美の一部がさっと本来の情趣をもって私の心を魅するであろう。
- 1930年、小川未明「単純化は唯一の武器だ」[2]
- 過去に於て、我等を魅し、勇気づけたものは、かかる知識的なそれでなかった。実に刹那に起り来る、表現であり、刺戟的な形式、それであった。
- 1940年、山中貞雄「恋と十手と巾着切」[3]
- よく見た印籠と思い乍ら拾い上げて小首を傾げて居たが、何の気なしに腰に手をやると印籠が無い。アレッと驚いた。まるで狐に魅された様なものである。
- 1954年、山本周五郎「樅ノ木は残った」[4]
- 甲斐は微笑した。温かく包むような、云いようもなく人を魅する微笑であった。宇乃もわれ知らず微笑した。
- 1927年、宮本百合子「塵埃、空、花」[1]
活用
[編集]サ行変格活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
魅 | し せ さ |
し | する | する | すれ | せよ しろ |
意味 | 語形 | 結合 |
---|---|---|
否定 | 魅しない | 未然形 + ない |
否定 | 魅せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
魅される | 未然形 + れる |
丁寧 | 魅します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 魅した | 連用形 + た |
言い切り | 魅する | 終止形のみ |
名詞化 | 魅すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 魅すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 魅せよ 魅しろ |
命令形のみ |
註
[編集]- ↑ 青空文庫、2003年9月15日作成(底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第4刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3881_12756.html
- ↑ 青空文庫、2011年11月30日作成(底本:「芸術は生動す」国文社、1982(昭和57)年3月30日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/51807_46587.html
- ↑ 青空文庫、2012年9月25日作成(底本:「山中貞雄作品集 全一巻」実業之日本社、1998(平成10)年10月28日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000072/files/54443_48990.html
- ↑ 青空文庫、2018年1月27日作成、2018年9月21日修正(底本:「山本周五郎全集第九巻 樅ノ木は残った(上)」新潮社、1982(昭和57)年11月25日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/files/57788_63886.html