かたはらいたい

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日本語[編集]

語源[編集]

古典日本語 傍ら痛し

発音[編集]

  • (東京式) たはらいた [kàtáháráítáꜜì] (中高型 – [6])
  • IPA(?): [ka̠ta̠ha̠ɾa̠ita̠i]

形容詞[編集]

かたはらいたい

  1. 相手態度滑稽で、苦々にがにがしくかんじるさま。笑止だ。笑止千万だ。
    • 故事ことわざ辞典[1]
      先生から見れば片腹痛いことでしょうが、私は至って真剣です。
  2. 見ていて心苦しい。はらはらする。
    • 1971年、源氏物語 若菜(上) 紫式部 與謝野晶子訳[2]
      「体裁が悪うございますよ。短い几帳で身体をお隠しになってお付きしていらっしゃればいいのに、風が吹いていますからお座敷の外から人がのぞけば、あなたはお医者のような恰好でおそばに出ているのですから恥ずかしい。こんなふうにしておいでになってはね」などと明石は片腹痛がっていた。
    • 1971年、源氏物語 若菜(上) 紫式部 與謝野晶子訳[2]
      大将は簾が上がって中の見えるのを片腹痛く思ったが、自身が直しに寄って行くのも軽率らしく思われることであったから、注意を与えるために咳払いをすると、立っていた人は静かに奥へはいった。
  3. 気がひける。恥ずかしい。
    • 1971年、源氏物語 若菜(上) 紫式部 與謝野晶子訳[2]
      …私を失礼な女と思召おぼしめすのでございましたら、この方をこれほどにお愛しにもならないでございましょうが、自分で片腹痛く存じますまでに私を御同等な人のようにお扱いくださいますから、私は恐縮いたすばかりでございます。

脚注[編集]

  1. 故事ことわざ辞典 「片腹痛い」 https://kotowaza-dictionary.jp/k3405/
  2. 2.0 2.1 2.2 2004年3月9日作成 「全訳源氏物語 中巻」角川文庫、角川書店 https://www.aozora.gr.jp/cards/000052/files/5049_14830.html