偏する

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

する (へんする)

  1. (自動詞) 偏る
    • 1915年、与謝野晶子「姑と嫁について」[1]
      日本の教育という意味が青年教育ばかりに偏しているので、青年の思想はどしどし前へ進んで行くのに、老人は一度若い時に教育されたきりであるからその思想は過去のままに乾干びている。
    • 1936年、岸田國士「共同の目標」[2]
      加盟個人及び団体の特殊な立場を悉く抱擁しつつ、その何れにも偏しない最大公約数的理想の発見に向つて進むのが、この組織の使命である。
    • 1952年、吉川英治「随筆 新平家」[3]
      右、左、いずれに偏するのも、作家の道ではない。読みようはおのおのの心まかせである。ぼくは机を横にしてまで、そのどっちへも向くつもりはない。

活用[編集]

偏-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 偏しない 未然形 + ない
否定 偏せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
偏される 未然形 + れる
丁寧 偏します 連用形 + ます
過去・完了・状態 偏した 連用形 +
言い切り 偏する 終止形のみ
名詞化 偏すること 連体形 + こと
仮定条件 偏すれば 仮定形 +
命令 偏せよ
偏しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫(2002年1月10日公開、2012年9月16日修正。底本:「与謝野晶子評論集」岩波文庫、岩波書店、1994(平成6年)年6月6日10刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000885/files/3320_48832.html
  2. 青空文庫(2009年9月5日作成。底本:「岸田國士全集22」岩波書店、1990(平成2)年10月8日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44520_36708.html
  3. 青空文庫(2013年5月4日作成。底本:「随筆 新平家」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2009(平成21)年4月30日第8刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52436_50711.html