同 字 (どうじ)
- 字体が同一または互いに異体字の関係にあり、使い分けがない文字。特に漢字について言う。
- 詩歌における禁制の一つで、近接した句で同じ字を使うこと。
- 一句中に同字を用ひるは差支なきも、一首中に句を別にして同字を重ね用ひるは、原則として厭むべきものとされてゐる。(河上肇『閑人詩話』)〔1879年 - 1946年〕
- 『梅村載筆』に、義堂の詩三句ながら同字を蹈む事日本で始めなり、その詩は、〈馬頭角を生ずるはまた難きにあらず、山上に舟を遣るもまた難からず、難きはこれ難中の難一あり、夕陽門外人を待つこと難し〉。(南方熊楠『十二支考 馬に関する民俗と伝説』)〔1918年〕
異体字の関係にあることを表す用語としてほかに「正字」や「俗字」があるが、それらが標準的・非標準的の区別をするのに対して、語義1の用法での「同字」は標準的かどうかを区別しない。
- ど↗ーじ