出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 形声。「口」+音符「七 /*TSIT/」。
- かつて「会意形声文字」と解釈する説があったが、根拠のない憶測に基づく誤った分析である。
常用漢字(「叱」も通用字体[2])
𠮟する (しっする)
- しかる。
- 舌打ちをする。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 𠮟しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 𠮟せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 𠮟せられる | 未然形 + られる |
丁寧 | 𠮟します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 𠮟した | 連用形 + た |
言い切り | 𠮟する | 終止形のみ |
名詞化 | 𠮟すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 𠮟すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 𠮟しろ 𠮟せよ | 命令形のみ |
- 辞書では本字「𠮟」(JIS第3水準)が「シツ、しかる」で本来「叱」(JIS第1水準)は別字(「カ」、口を開くさま)とされるが、その使用実態から見て、「叱」は「𠮟」と異体の関係にある同字と認めることができる[2]。
- 実態としては、「シツ、しかる」として「叱」の方が「𠮟」よりも高い頻度で用いられている[3]。
- JIS X 0208 (wp)では、「叱」と「𠮟」は28-24に包摂 (wp)されている。両者はJIS X 0213 (wp)でも1-28-24に包摂されていたが、JIS X 0213:2004で分離され、1-47-52に「𠮟」が追加された。
- つくり(右側の部分)は「七」「𠤎」「匕」などの書き方があり、いずれのように書いてもよい[4]。
字典掲載
康熙字典 |
173ページ, 1文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
3247 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
1280 |
角川大字源 (1992) |
1054 |
講談社新大字典 (1993) |
1740 |
大漢語林 (1992) |
1245 |
漢語大字典 (1986-1989) |
1巻, 572ページ, 5文字目 |