盗人を捕らえて見れば我が子なり

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日本語[編集]

成句[編集]

(ぬすびとをとらえてみればわがこなり)

  1. 意外出来事が起こって処置に急すること。
  2. ごく身近な者であってもを許してはいけないこと。参考:(1)故事ことわざ辞典鈴木棠三広田栄太郎編、東京堂、1956年11月、724頁。(2)『故事・俗信 ことわざ大辞典』尚学図書編集、小学館、1982年2月、881頁。
    • きりたくもありきりたくもなし
      ぬす人をとらへてみればわが子なり――山崎宗鑑新撰犬筑波集」『日本俳書大系』第6巻、日本俳書大系刊行会、1926年11月、48頁。
    • 「アヽこれこれはゝぢやひと声高こわだかにいはしやんな、盗人ぬすびととらへてればなりけりぢや。ひとがしつてはおれよりまあ、こなたの外聞ぐわいぶんわるいわいの。」――並木宗輔「一谷嫩軍記」『近代日本文学大系』第9巻、国民図書、1927年12月、31頁。
    • 「子を知るに親にしくはなし」と云われますが、母親というものは、案外自分の事を知らないように、自分の子供のことをも知つておらない事が多いものであります。「泥棒を捕えて見れば我が子なり」と云う諺もあるではありませんか。「私の子に限つてそんな事は決してありません」などと云う母がありますが「親バカ」と云う言葉のあるように、母親は自分の子供のわるいことを知らないでいることが多いのであります。――荻原晃母にさちあれ』中央出版社、1950年9月、101頁。
    • 盗人を捕えて見れば我子なりと知らぬ身の羅摩、すなわちハヌマンを遣わし大軍を率いて征伐せしめたが、二児に手いたく破られて逃れ還る。――南方熊楠. “図書カード:十二支考 07 猴に関する伝説”. 青空文庫. 2023年5月3日閲覧。

由来[編集]

室町時代後期俳諧連歌撰集新撰犬筑波集』にある前句付「切りたくもあり切りたくもなし」の付句から。

異表記・別形[編集]

  • 泥棒を捕らえて見れば我が子なり