出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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なー も参照。


U+306A, な
HIRAGANA LETTER NA

[U+3069]
平仮名
[U+306B]
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な 教科書体
書き順

日本語[編集]

名詞:名[編集]

  1. 人や動物などにつけるその個体固有標識名前なまえ
    1. 下の名前
      • 1929年、夏目漱石「手紙」[1]
        ところがこの好奇心が遺憾なく満足されべき画竜点睛の名前までいよいよ読み進んだ時、自分は突然驚いた。名あてには重吉の姓とがはっきり書いてあった。
      • 1929年、高村光雲「幕末維新懐古談」[2]
        東雲師はまだその頃は独身であった。兄が一人あり、を金次郎という。
  2. 事物につける個体に固有の標識。
    • その山の名は北岳という。
  3. その物又は事を他の事物と区別するため、言語を用い、概念を代表して標識としたもの。
    • その虫の名はフンコロガシである。
  4. ほまれ名誉名声評判

語源[編集]

古典日本語」(名) < 日本祖語 *na (名詞)

類義語[編集]

複合語[編集]

成句・連語[編集]

翻訳[編集]

訳語 — 「[[なまえ#翻訳#翻訳]]」を参照のこと

名詞:菜[編集]

  1. くき食用とするくさ

類義語[編集]

翻訳[編集]

連体詞[編集]

  1. (口語)そんなの縮約。「んな」とも。
    • 「どこ行ってたの。家出でもしたのかと思った」「わけねえよ」

助詞1[編集]

終助詞

  1. 禁止する意味。また、すでに起きた行為をとがめる意味。
    • 喋る
    • こら、大声で騒ぐ
    • よりによってこんな大事な日に事故を起こすよ。

類義語[編集]

関連語[編集]

助詞2[編集]

終助詞

  1. 子供や親しい人にやわらかく命令する。また冷たく指図する。
    • 向こうへ行き

語源[編集]

なさいの省略。

助詞3[編集]

終助詞

  1. 納得させる。確認する。
    • 分かるか
    • もう、どうしようもない
    • おまえは、人の言うことを聞くべきだよ
  2. 希望を表す。
    • 明日、晴れないか
  3. 感動を表す。
    • 嬉しい

類義語[編集]

助詞4[編集]

接続助詞終助詞

  1. (方言) ねば縮約
    • ちゃんとせいかんよ。しっかりやら

感動詞[編集]

  1. 相手に関心を向けさせる。なあの形もとる
    • 、聞いてくれよ

接尾辞・助動詞[編集]

  1. 形容動詞や、形容動詞型の活用をする助動詞連体形を構成する活用語尾。
  2. 形容動詞や、形容動詞型の活用をする助動詞の終止に用いられる活用語尾。と比べ詠嘆的なニュアンスがある。
    • (いんね、川のでございます。)という、はて面妖と思った。(泉鏡花『高野聖』)
    • 「非力者め、小癪ッ」(長谷川伸『討たせてやらぬ敵討』)
    • 「何処ぞは戦争が起ったそう一体どなになるんぞ、ええ?」(本庄陸男『とも喰い』)
    • 「おばあさんの幽霊だって?……そんな馬鹿」(小野佐世男『幽霊』)
    • 「誰か、お連れでもあるんですか。」/「うむ……あるよう、ないよう……。」(豊島与志雄『椎の木』)
  3. 一説には、断定の助動詞「」の連体形活用語尾。わけはずものなどにつく。
    • やんちゃ坊主ものでどうもすみません。
    • 本人にしてみれば成功のだろう。
    • 失敗わけがない。(「失敗のわけがない」と比べ口語的)

リンク[編集]

「な、ナ」で始まる日本語


国頭語[編集]

助詞[編集]

  1. 禁止を表す。〜な。

語源[編集]

琉球祖語 *-na < 日本祖語 *na

接尾辞[編集]

  1. 連体格を構成する。〜な。

古典日本語[編集]

名詞:名[編集]

  1. 名前なまえ名称
  2. 名声評判うわさ
  3. 虚名名目

発音[編集]

一拍名詞二類

な↘ぁ

語源[編集]

日本祖語 *na (名詞)

名詞:菜[編集]

  1. 食用くさ
  2. 副菜

発音[編集]

一拍名詞三類

↘なぁ

名詞:肴[編集]

  1. おかず副食物

名詞:魚[編集]

  1. 食用のさかな

名詞:儺[編集]

  1. (行事)おにらい。

類義語[編集]

副詞[編集]

  1. (呼応関係、 + 連用形 +禁止の助詞「」で強い禁止を表す)決して~してはならない。
    • 東風こち吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春忘れ菅原道真、但し元歌は「春を忘るな」)
      東風が吹いてきたならば、きっと咲くのだぞ梅の花よ。主がいなくなったからと言って、春を決して忘れないように。
    • 吹風をの関とおもへども道もせにちる山桜かな(源義家千載和歌集』)
      (花を散らす)風は決して吹いてこないはずの勿来の関であるのに、道いっぱいに花びらを散らせる山桜であることよ。
      「勿来の関」は東北地方の有名な歌枕。地名の「なこそ」と「決して来てはならない」の意である「な来そ」を掛ける。

語源[編集]

日本祖語 *na (副詞)

代名詞[編集]

  1. 二人称。おまえ

助動詞[編集]

  1. 」の未然形
  2. (上代語) 「」の未然形。

助詞[編集]

  1. (終助詞)強い禁止を表す。
  2. (上代語)体言(またはそれに準ずる語)について連体修飾語をつくる。
  3. (上代東国)~。~
  4. (上代語)動詞の未然形に付いて決意・意志や勧誘、願望をあらわす終助詞。
    • 今は漕ぎ出で万葉集 第一巻 0008)

用法[編集]

  • (語義1) 副詞「」と終助詞「」が呼応する表現もあるが、こちらのほうがより穏和な表現。

派生語[編集]


宮古語[編集]

助詞[編集]

  1. 疑問を表す。〜
  2. 禁止を表す。〜な。

語源[編集]

琉球祖語 *-na < 日本祖語 *na

名詞[編集]

  1. 食用くさ。菜。

文字コード[編集]

  1. 青空文庫(1999年9月9日公開、2011年9月9日修正)(底本:「硝子戸の中」角川文庫、角川書店、1994年3月10日 改版21版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/798_43613.html 2020年8月28日参照。
  2. 青空文庫(2006年1月15日作成)(底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店、1997年5月15日第6刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000270/files/1551_21474.html 2020年8月28日参照。