出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 象形。甲骨文字では「舌/言」+「人/大」+「丨/戈」から成り、棒状のものか戈を持ち、何かを話している人の形。訛変して「試」の形になる(下記画像も参照)。「監督する」意の漢語{試/*strək-s/}を表す字。[字源 1]
- 『説文解字』では「言」+「式/*l̥ək/」で形声文字とするが、これは誤りである。
- 上古音について、Axel Schuesslerは、{試}は使役を表すs/h-接頭辞を持つ{式}のexoactive(外向能動態)派生 と捉え、 語頭子音に*hl-(/*lhəkh/)を再構している[字源 2]。他にもBaxter - Sagartは/*l̥ək-s/、鄭張尚芳は/*hljɯɡs/と語頭子音に*L-を再構している。
しかし本来は字形上「式」とは無関係であることや、秦漢では「試」と「識/*s-tək/」が互いに通仮している例があることから、語頭子音に*L-ではなく*T-(/*strək-s/)を再構する方が望ましい。
「試」の演変
- ↑ 『出土文獻與古文字教程』-上册-、中西書局、2024年01月、P.14~15
- ↑ Axel Schuessler『ABC Etymological Dictionary of Old Chinese』p.466
字典掲載
康熙字典 |
1157ページ, 3文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
35415 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
11926 |
角川大字源 (1992) |
9325 |
講談社新大字典 (1993) |
15719 |
大漢語林 (1992) |
10677 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
1622ページ, 6文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
6巻, 3960ページ, 12文字目 |