草する

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

する (そうする)

  1. (他動詞) 書き起こす
    • 1900年、森鴎外「鴎外漁史とは誰ぞ」[1]
      昨年彼新聞が六千号を刊するに至ったとき、主筆が我文を請われて、予は交誼上これに応ぜねばならぬことになったので、乃ち我をして九州の富人たらしめばという一篇を草して贈った。
    • 1929年、津田左右吉「歴史の矛盾性」[2]
      文を草する過程が上記の如きものであるとすれば、そこに現われているところは、筆者の筆を執った場合における特殊の気分によっておのずから撰択せられ淘汰せられ色づけられ調子づけられているものである。
    • 1952年、相馬愛蔵「私の小売商道」[3]
      いまこの章を草するに当って、左の話を想起する。アメリカのある大学卒業生、何々学士という名刺を持ち、雇われ口を探すべく諸所を彷徨ったが、誰一人彼を相手にするものがない。

活用[編集]

草-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 草しない 未然形 + ない
否定 草せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
草される 未然形 + れる
丁寧 草します 連用形 + ます
過去・完了・状態 草した 連用形 +
言い切り 草する 終止形のみ
名詞化 草すること 連体形 + こと
仮定条件 草すれば 仮定形 +
命令 草せよ
草しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫(2005年8月19日作成。底本:「歴史其儘と歴史離れ 森鴎外全集14」ちくま文庫、筑摩書房、1996(平成8)年8月22日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/45270_19219.html
  2. 青空文庫(2017年3月11日作成。底本:「津田左右吉歴史論集」岩波文庫、岩波書店、2006(平成18)年11月15日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001535/files/53742_61251.html
  3. 青空文庫(2004年12月11日作成、2011年4月4日修正。底本:「相馬愛蔵・黒光著作集4」郷土出版社、1981(昭和56)年6月5日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001147/files/43527_17334.html