断じる

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

じる (だんじる)

  1. (他動詞) (「~と断じる」「~を断じる」「~を~と断じる」などの形で)断定する。
    • 1937年、戸坂潤「日本文化の特殊性」[1]
      教学は、少くとも封建的な或いは寧ろアジア的な社会機構と、何か一定の函数関係を有つと見てよい。今すぐに之を断じることは私には出来ないが、そういう見解の見透しを持つ理由が多々ある。
    • 1946年、太宰治「親という二字」[2]
      おどおどして、そうして、どこかずるそうな、顔もからだもひどく小さい爺さんだ。大酒飲みに違いない、と私は同類の敏感で、ひとめ見て断じた。
  2. (他動詞, 文章語) 絶つ
    • 1947年、高神覚昇「般若心経講義」[3]
      いったい仏教の理想は、「迷いを転じて悟り開く」ことです。煩悩を断じて菩提を得ることです。つまり凡夫が仏陀になることです。
  3. (他動詞, 文章語) 裁決する。
    • 1925年、国枝史郎「大鵬のゆくえ」[4]
      殊には和泉守は学問好き、それに非常な名奉行で、在職年限二十一年、近藤守重の獄を断じて一時に名声を揚げたこともあり[…]

活用[編集]

だん-じる 動詞活用表日本語の活用
ザ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
だん じる じる じれ じよ
じろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 だんじない 未然形 + ない
意志・勧誘 だんじよう 未然形 + よう
丁寧 だんじます 連用形 + ます
過去・完了・状態 だんじた 連用形 +
言い切り だんじる 終止形のみ
名詞化 だんじること 連体形 + こと
仮定条件 だんじれば 仮定形 +
命令 だんじよ
だんじろ
命令形のみ

派生語[編集]

関連語[編集]

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  1. 青空文庫、2012年7月13日作成(底本:「戸坂潤全集 別巻」勁草書房、1979(昭和54)年11月20日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000281/files/55290_48235.html
  2. 青空文庫、2000年3月21日公開、2005年11月1日修正(底本:「太宰治全集8」ちくま文庫、筑摩書房、1989(平成元)年4月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/309_20136.html
  3. 青空文庫、2006年9月15日作成、2016年5月10日修正(底本:「般若心経講義」角川文庫、角川書店、1973(昭和48)年3月30日改版12版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000269/files/1543_24303.html
  4. 青空文庫、2005年2月21日作成(底本:「銅銭会事変 短編」国枝史郎伝奇文庫27、講談社、1976(昭和51)年10月28日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/43659_17897.html