むさぼる

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日本語[編集]

動詞[編集]

むさぼるる】

  1. 満足したり飽きることなく求める
    • 暴利むさぼる
    • そうしてかくしのキャラメルを取り出して三つ四つ一度に 頬張りながら南方のすそ野から遠い前面の山々へかけての眺望をむさぼることにした。(寺田寅彦 『小浅間』)
    • 私ははじめて『近代文学』第一号を手にした日のことを思い出します。当時、広島で罹災して、寒村の農家の二階で飢えていた私は、むさぼるようにあの雑誌にとびつき、ひどく興奮したものです。(原民喜 『ある手紙』)
  2. (悪習を)反省することなくやり続ける。
    • 惰眠を貪る。
    • しかも著名な俳優の大部分は無声映画時代の好運にあまやかされて泰平の夢をむさぼるになれているから、いまさら年期を入れ直して勉強を始めるような殊勝さは持ち合していないように見受ける。(伊丹万作 『雑文的雑文』)
  3. 無駄に得る。
    • 借金とり撃退に快を感じる人はこの世に少くないかも知れないが、多くはやむをえずそうなったもので、有るべき物が手もとにあれば強いてそのへんに快をむさぼるにも及ばないというのが実情であろう。(坂口安吾 『文化祭』)
  4. (「貪り食う」「貪るように食う」から)がつがつ食べる
    • それが、丁度猫が鼠を捕り、むさぼる前にしばらくさらしておく状態と酷似してゐた。(飯田蛇笏 『薄暮の貌』)

活用[編集]

語源[編集]

翻訳[編集]