出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 会意。「宀」(家屋)+「口」から構成され、屋内で音声が反響するさまを象る。「ひびく」を意味する漢語{響 /*hangʔ/}を表す字。のち仮借して「むかう」を意味する漢語{向 /*hlangs/}に用いる。[字源 1]
- 「説文」以来定説とされてきた、北に出た窓を象り、その派生義で「方向」を表すという説は信頼できない。[字源 2]
- もと、「卿」あるいは「郷」を仮借して{向}を表していた。
- 「卿」の構成要素である「𠨍」(卯とは異なる)が{向}の本字であるという説が近年有力視されている。
- ↑ 裘錫圭 『文字学概要』 商務印書館、1988年、148-149頁、日本語訳『中国漢字学講義』(稲畑耕一郎・崎川隆・荻野友範訳)東方学術翻訳叢書、東方書店、2022年、第7章第2節264-265頁。
季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、590-591頁
徐超 『古漢字通解500例』 中華書局、2022年、208-209頁。
- ↑ 裘錫圭、同上。
字典掲載
康熙字典 |
176ページ, 4文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
3301 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
1309 |
角川大字源 (1992) |
1070 |
講談社新大字典 (1993) |
1776 |
大漢語林 (1992) |
1267 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
393ページ, 4文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
1巻, 579ページ, 8文字目 |