細分

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日本語[編集]

名詞[編集]

(さいぶん)

  1. 細かく分けること。または、細かく分けられたもの。
    • 1948年、吉田秀夫訳、トマス・ロバト・マルサス「人口論」[1]
      報告に述べてある農業に対する阻害の中には、新相続法による土地の過度の細分が指摘されている。
    • 1952年、江戸川乱歩「探偵小説の「謎」」[2]
      これを更に細かく分類すると数十項に分けられるが、その細分の項目のうちで最も多いのは「一人二役」トリックの一三〇例、第二は「密室」トリックの八三例で、この二つが断然他を抜いている。
  2. (位相空間論) 位相空間被覆の全ての部分集合が別の被覆の部分集合に含まれること。ある位相空間に2つの被覆 𝒱𝒰 があって、任意の V𝒱 に対して VU を満たす U𝒰 が存在するとき、𝒱𝒰 の細分という。

類義語[編集]

対義語[編集]

翻訳[編集]

語義1

語義2

動詞[編集]

する (さいぶんする)

  1. (他動詞) 細かく分ける。
    • 1933年、手塚壽郎訳、レオン・ワルラス「純粋経済学要論」[3]
      我々は皆日々、特種な一系列の行為として、交換すなわち売と買とをなしている。我々のある者は土地または土地の使用または土地の果実を売る。ある者は家または家の使用を売る。ある者は大量に獲得した工業生産物または商品を細分して売る。
    • 1957年、久生十蘭「肌色の月」[4]
      降るような星空の下、釉薬を流した黒い湖の面に、ちりばめたようにキャンプ・ファイヤーの火の色がうつり、風が流れると、それが無数の小さな光に細分され、眼もあやにゆらゆらとゆらめきわたる。

活用[編集]

細分-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
細分

する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 細分しない 未然形 + ない
否定 細分せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
細分される 未然形 + れる
丁寧 細分します 連用形 + ます
過去・完了・状態 細分した 連用形 +
言い切り 細分する 終止形のみ
名詞化 細分すること 連体形 + こと
仮定条件 細分すれば 仮定形 +
命令 細分せよ
細分しろ
命令形のみ

翻訳[編集]

[編集]

  1. 青空文庫、2008年11月28日作成(底本:「各版對照 マルサス 人口論Ⅱ」春秋社、1949(昭和24)年1月10日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001149/files/45455_33437.html
  2. 青空文庫、2017年6月22日作成(底本:「新版 探偵小説の「謎」」現代教養文庫、社会思想社、1999(平成11)年4月30日新版第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/57502_62061.html
  3. 青空文庫、2006年10月30日作成(底本:「純粹經濟學要論 上卷」岩波文庫、岩波書店、1953(昭和28)年11月25日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001185/files/45210_24671.html
  4. 青空文庫、2008年9月13日作成(底本:「久生十蘭全集 Ⅵ」三一書房、1974(昭和49)年6月30日第1版第2刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001224/files/46147_32597.html