いい

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

形容詞[編集]

いいい、い、い】

いの終止形および連体形が口語で転訛したもの。
  1. すばらしいすぐれている。
    • いい景色だなあ。
  2. 物事望ましい状態であるさま。
    • 朝御飯はしっかり食べた方がいいよ。
  3. 都合がいい。望む。したい。
    • あなたがたのいいようにすればどうですか。
  4. 行うことが許容されまた望ましい。勧められる。
    • 見に行きたかったら行けばいいじゃない。
  5. 行うことが可能である。許容される。
    • ちょっと手伝ってもらっていいかな?
  6. (「でいい」の形で) 十分である。最善ではないが、十分である。
    • 砂糖の量はそのくらいでいいよ。
    • 飲みものはコーヒーでいい。なかったらお茶でもいい
  7. これ以上は不要だ。結構だ。
    • その話はもういいよ。
    • 「お水はいりますか?」「いや、いいです。」
    1. (「いいから」の形で)拒否したり消極的になったりする必要はない、こちらの指示どおりにするべきだ。とにかく
      • いいからこっちに来い。
  8. どちらの選択もありうる。こだわらない。無関心である。
    • してもいいし、しなくてもいい
    • そんなのどうでもいい
  9. 年齢について)物事分別わきまえることができるであろう、ある程度以上しているさま。それなりだ。
    • いい年して何をやってるの。
  10. 相思相愛の仲である。素敵な。
    • きっといい人ができたのね。
  11. (反語的に)ひどい。恥さらしな。恥ずべき。
    • 夜中に騒がれてこっちはいい迷惑だ。
    • 騒いでた連中、捕まったんだって。いいざまだ。

活用[編集]

語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
変則的

 終止形「いい」と連体形「いい」の他は欠くので、「よい」の活用形をもってこれに代える。方言では「いくない」「いかった」の形も見られる。

発音(?)[編集]

↗い↘い

関連語[編集]

翻訳[編集]

語義1

語義2

名詞:言い[編集]

いい(い)、(い)】

  1. 言うこと。言い分発言
  2. いわれ。わけ意味
    • 科学的精神というものはごく一般的なもので、決して科学者の専売ではない。ただ科学教育とは、この科学的精神を、所謂「科学」に就いて誘導開発するものの謂いだというのである。(戸坂潤 『現代科学教育論』)

発音(?)[編集]

い↗い、い↘い

語源[編集]

  • ワ行五段活用の動詞「言う」「謂う」の連用形である「言い」「謂い」が名詞化したもの。

関連語[編集]

翻訳[編集]

名詞:飯[編集]

いい

  1. 等の穀物を食用に供するため蒸したもの、めし

発音(?)[編集]

い↘い

関連語[編集]

翻訳[編集]

名詞:樋[編集]

いい 歴史的仮名遣い:いひ

  1. などから水を流すために地中に埋めた木製の水量調節出来るもの。伏せ樋。

動詞[編集]

いいい、い】

  1. いう連用形中止形。
    1. (「といい」の形で)言及すべき対象の列挙を表す。にしても。
      • もし一度でも翁の家の縁側に上る事が出来たら一代の名誉になろうと言う。そこへ金と言い、お茶の湯と言い、全然嗜みのない本来無一物が、偶然中の偶然とも言うべき機会から、何も知らずに参室したのだから、一代の光栄どころでない。(夢野久作「お茶の湯満腹談」)

同音異義語[編集]