出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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機の筆順。詳しく知りたい場合、も参照すること。

漢字[編集]

字源[編集]

小篆

説文
(漢)

意義[編集]

  1. はた。布を織るための装置。
  2. しかけからくり装置
  3. しくみ
  4. はたらき
  5. さといするどい
  6. きざしきっかけ
  7. 潮時
  8. 重要
  9. 航空機飛行機の略称、又は造語成分。

日本語[編集]

発音[編集]

名詞[編集]

(き)

  1. 物事の起こるきっかけ。物事を行うのによい時機機会
    • 1937年、岡本かの子「金魚撩乱」[2]
      明治二十七八年の日清戦役後の前後から日本の金魚の観賞熱はとみに旺盛となった。専門家の側では、このに乗じて金魚商の組合を設けたり、アメリカへ輸出を試みたりした。
    • 1946年、織田作之助「土曜夫人」[3]
      鉱三はあっけに取られていたが、やがて終戦になり、政界復帰のが熟したと見ると、大阪へ電報を打った。
    • 1954年、坂口安吾「安吾下田外史」[4]
      後日ハリスが公使になって後、ヒュースケンは攘夷の浪士に殺された。英仏露等の公使がそれをに日本を武力で屈服させようとしたとき、ハリスだけは日本の肩をもった。
  2. (航空機) 航空機飛行機の略称。
    • 1933年、桐生悠々「関東防空大演習を嗤う」[5]
      与えられた敵国のの航路は、既に定まっている。従ってこれに対する防禦も、また既に定められていなければならない。
    • 1940年、海野十三々「三重宙返りの記」[6]
      一等気持のわるかったのは、上昇反転であった。はぐんぐん垂直に上昇していって、その頂上で、エンジンははたと停り、そして失速する。からだが、空中にぴたりと停った。

接尾辞[編集]

(き)

  1. (航空機) 飛行機の助数詞
    • 1937年、寺島柾史「怪奇人造島」[7]
      いや、白堊の家だけではない、工場もあるし、動力所とおぼしい建物もあるし、飛行機の格納庫さえある。しかも、氷上には、単葉の飛行艇が二、翼を休めているし、水色の作業服を着た人々が、水晶のように美しい氷上を歩いている。
    • 1952年、和辻哲郎々「夢」[8]
      驚いて見上げると、数十の編隊がわりに低空を飛んで来る。それを見た瞬間に、どういうわけかわたくしには、それがアメリカの飛行機であることが解った。
  2. (コンピューターゲーム) 残機制ゲームにおいて、プレイヤーが操るキャラクターの助数詞。スペースインベーダーがブームだった1978年頃から既に使われていた[9]。ただしこの頃は据え付けるものを数える時の助数詞「基」の意味で用いており、伝聞の過程で現在の用字に変化していった。

熟語[編集]

中国語[編集]

*

簡体字:

熟語[編集]

朝鮮語[編集]

*

発音[編集]

ベトナム語[編集]

*

名詞[編集]

  1. 機械
  2. (廃語) 航空機

コード等[編集]

点字[編集]

脚注[編集]

  1. 『倭名類聚抄』源順 撰、https://dl.ndl.go.jp/pid/2544216
  2. 青空文庫、2003年2月27日作成、2011年2月18日修正(底本:「ちくま日本文学全集 岡本かの子」筑摩書房、1992年(平成4)2月20日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/1279_9311.html
  3. 青空文庫、1999年5月14日公開、2013年8月12日修正(底本:「定本織田作之助全集 第七巻」文泉堂出版、1976(昭和51)年4月25日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/337_19631.html
  4. 青空文庫、2006年7月11日作成(底本:「坂口安吾全集 14」筑摩書房、1999(平成11)年6月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42969_23709.html
  5. 青空文庫、2004年5月18日作成(底本:「畜生道の地球」中公文庫、中央公論社、1989(平成元)年10月10日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000535/files/4621_15669.html
  6. 青空文庫、2005年6月14日作成(底本:「海野十三全集 別巻1 評論・ノンフィクション」三一書房、1991(平成3)年10月15日第1版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/43838_18744.html
  7. 青空文庫、2006年7月20日作成(底本:「少年小説大系 第8巻 空想科学小説集」三一書房、1986(昭和61)年10月31日第1版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001084/files/42294_23835.html
  8. 青空文庫、2016年9月9日作成(底本:「和辻哲郎全集 補遺」岩波書店、1978(昭和53)年6月16日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001395/files/55622_60230.html
  9. ルパン三世 (TV第2シリーズ) 第111話「インベーダー金庫は開いたか?」後半パートでは、次元がルパンに「残り1基」というセリフを発していたことからも、初回放送時である1979年11月には一般に定着していたことがわかる。