出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 形声。「頁」+音符「𡚇] /*NGON/」[字源 1]。「あたま」を意味する漢語{元 /*ngon/}を表す字。のち仮借して「ねがう」を意味する漢語{願 /*ngons/}に用いる。
- 『説文解字』では「頁」+音符「原」と説明されているが、これは誤った分析である。この文字の偏は「𡚇」の変化形に由来するため「原」とは関係がない。
- 「原」の上古音は/*N-ɢʷar/なので、「願」/*[ŋ]o[n]-s/とは音が異なり、声符としてやや不適切に見える。もともと戦国晩期あたりでは声符「𡚇」/*ŋon/の形声字「𩕾」/*[ŋ]o[n]-s/(上古音)であった。その後、声符「𡚇」が様々な形に訛変し、漢代前後に「原」の形になり、それに伴って音(中古音)も「原」(ngjwon)を声符とする「願」(ngjwonH)になった[字源 2]。
音の変化
| 上古音 | 中古音 |
𡚇 | *ŋon | - |
原 | *N-ɢʷar | ngjwon |
願 | *[ŋ]o[n]-s(𩖈) | ngjwonH |
|
 |
小篆
|
流伝の古文字 |
《説文》 (漢) |
《六書通》 (明) |
- ↑ 謝明文 「説“𥆞”及其相関之字」 『饒宗頤国学院院刊』第3期 中華書局、2016年、1-15頁。
- ↑ 蘇芃《“𩖈”、“願”、“愿”的歷史演變研究——兼談在文獻考訂中的應用價値》
字典掲載
康熙字典 |
1407ページ, 31文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
43623 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
14186 |
角川大字源 (1992) |
11277 |
講談社新大字典 (1993) |
19043 |
大漢語林 (1992) |
12877 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
1925ページ, 36文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
7巻, 4385ページ, 7文字目 |