うまい

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日本語[編集]

形容詞[編集]

うまい

  1. 旨い美味い良いおいしい。おいしく感じられる。
    • もともと、自分は、うまい鮨を食わせる店というところに、ひとに連れられて行って食っても、うまいと思った事は、いちどもありませんでした。(太宰治人間失格』)
    • おかあさんが女中に牛乳で煮たおかゆを持って来させた。ポチは喜んでそれを食べてしまった。火事の晩から三日の間ポチはなんにも食べずにしんぼうしていたんだもの、さぞおかゆがうまかったろう。(有島武郎 『火事とポチ』)
  2. 巧い上手い能力優れる巧みである。上手だ。
    • すると狸の子は棒をもってセロの駒の下のところを拍子をとってぽんぽん叩きはじめました。それがなかなかうまいので弾いているうちにゴーシュはこれは面白いぞと思いました。(宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ』)
  3. 言葉が的を射ている。冗談が気が利いていて面白い。
    • 鴎外がうまい事を言っています。/「酒を傾けて酵母を啜るに至るべからず。」(太宰治 『わが愛好する言葉』)
    • 誰がうまいことを言えと言った。(「冗談が面白い、皮肉が利いている」といった意味)
  4. 好いぐあいだ、ちょうどよい。
    • 紫でちょっと切れた図面が、二三寸の間隔をとって、振り返る男の体(たい)のこなし具合で、うまい按排につながれている。不即不離とはこの刹那の有様を形容すべき言葉と思う。(夏目漱石草枕』)
    • 野中兼山が「椋鳥には千羽に一羽の毒がある」と教えた(略)これが「百羽に一羽」というのではまずい。もし一プロセントの中毒率があるとすればその実例が一つや二つぐらいそこいらにありそうな気がするであろう。また「万羽に一羽」でもうまくない。万人に一人では恐ろしさがだいぶ希薄になる。(寺田寅彦 『藤棚の陰から』)
    • みなで三人乗ってゐる/一人はともに膝をかゝへて座ってゐるし/二人はじろじろこっちを見ながら立ってゐる/じつにうまくないそのつら宮沢賢治春と修羅』)
  5. 一見よさそうに見える。
    • だが、あんまり棚からボタ餅のうまい話に、なんだか狐につままれたような変な気がして、なんと返事していいかまごついた。(伊藤永之介 『押しかけ女房』)
  6. 上首尾で。成功して。
    • 「そんなに、うまくいくといいけどねえ。」(太宰治 『帰去来』)

活用[編集]

語源[編集]

類義語[編集]

対義語[編集]

翻訳[編集]

味が良い
おいしい — 「おいしい#翻訳」を参照のこと
能力が優れる

名詞1[編集]

うまい

  1. (古用法) ぐっすり眠ること。

類義語[編集]

名詞2[編集]

うまい

  1. 雅楽で、右側舞人

対義語[編集]