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漢字[編集]

字源[編集]

  • 象形文字で、さそりの形。後に、数の一万の意味に借りられるようになった。現在でも、「」の大字として使用される。
    • 説文解字は「萬」を「蟲なり」とするが虫の名前は挙げず、説文解字注(段注)はサソリの形に似ているからその字であろうというが、白川静は「声義ともに異なる」と指摘する。[1]「萬」が象形で、10000の意味は音の仮借であるという立場は、藤堂明保『学研 新漢和大字典』[2]や諸橋大漢和[3]ほか多くの辞典[4][5]が支持する。数字の万としての用法はすでに卜文にみえる。[1]

甲骨文字 金文

簡帛文字

小篆

流伝の古文字
西周

戦国時代 説文
(漢)
《六書通》
(明)

意義[編集]

  1. (数詞)一万の四乗。
  2. 非常多い
  3. 全て
  • 金文においては、「萬年」はしばしば「年」と記される。「萬」には本来「邁」の声義を含み、無限の意があったと考えられる。[1]

日本語[編集]

詳細はを参照。

発音(?)[編集]

名詞[編集]

(まん)

  1. 」の大字

中国語[編集]

*

数詞[編集]

  1. 10000

熟語[編集]


朝鮮語[編集]

*

熟語: 朝鮮語[編集]


ベトナム語[編集]

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コード等[編集]


脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 『新訂 字訓』(白川静著、平凡社)766ページ「よろづ」項
  2. 『学研 新漢和大字典』(藤堂明保・加納喜光編、学習研究社)21ページ「万」項「解字」欄
  3. 『大漢和辞典 巻九』(諸橋轍次著、大修館書店)10093ページ「萬」項「解字」欄
  4. 『大漢語林』(鎌田正・米山寅太郎著、大修館書店)20ページ「万」項「解字」欄
  5. 『新潮日本語漢字辞典』(新潮社編、新潮社)29ページ「万」項「解字」欄
  6. 6.0 6.1 『大漢和辞典 巻九』(諸橋轍次著、大修館書店)10093ページ「萬」項
  7. 7.0 7.1 『新潮日本語漢字辞典』(新潮社編、新潮社)28ページ「万」項
  8. 8.0 8.1 『学研 新漢和大字典』(藤堂明保・加納喜光編、学習研究社)20ページ「万」項「音」欄。藤堂らは「万」の呉音を「モン」とし、「マン」は慣用音であるとする。


参考[編集]

  • 芳賀剛太郎編、1914年『漢和大辞書』、紙面1832ページ、デジタル968ページ、全国書誌番号:43007289、国立国会図書館デジタルライブラリー pid 936745/968