出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
漢字
会意 。「戈 」(武器、戦闘)+「止 」(人の足、進むこと)、軍事行動のさま[ 字源 1] 。「いくさ 」「軍隊 」を意味する漢語 {武 /*m(r)aʔ/ }を表す字。
『左伝・宣公十二年』に、「武」とは「戈(いくさ)を止めること」であるという教訓が登場するが、これは俗解にすぎず実際の字源(および語源)とは異なる。
↑ 于省吾 「双剣誃古文雑釈・釈武」 『双剣誃殷契駢枝三編』 大業印刷局、1943年、9頁。 唐蘭 『中国文字学』 開明書店、1949年、71頁。 裘錫圭 『文字学概要』 商務印書館、1988年、99頁。
果断 である、猛々しい 。
いくさ の勢い、兵威 。
戦闘・戦争の技術。
いくさ、兵事 。
戦をする者、将兵 、軍人 。
あらそう 。
あしあと 。
周 の武王 、又は武王に関連する事。
「鵡 」の二簡字 。鸚鵡 。
(日本)武蔵 (むさし)の国。
シナ・チベット祖語 *maq (戦闘、軍隊)より。[ 語源 1]
チベット語 དམག (軍事)、ビルマ語 ရဲမက် (兵士)、ジンポー語 da-myàq (盗賊)等と同根。
「戈を持って前進すること」が原義という説があるが、それを支持する証拠はない。
↑ Weldon South Coblin, A Sinologists Handlist of Sino-Tibetan Lexical Comparisons , Steyler Verlag, 1986, pp. 107-108. 龔煌城 「従原始漢蔵語到上古漢語以及原始蔵緬語的韻母演変」 『漢蔵語研究論文集』 北京大学出版社、2002年、236頁。 Laurent Sagart, A candidate for a Tibeto-Burman innovation. Cahiers de Linguistique Asie Orientale , 46, 1, 2017, pp. 101-119.
(ブ ) 「文 」に対して、軍事 など現実に物理力を行使する事。
政治は文武を併せ用ゐるものである。文は寛、武 は猛である。武 は兇器を用ゐることをのみ言ふのではない。(森鴎外 『栗山大膳』)
(ブ ) 武術 、武道 。
武 は勝たんがための武 ではない。正しく生き、健すこやかに明るくあらんがための武 であり、剣であるということが、この二羽の鶯を見るたびに、いつまでも両藩の若侍たちの胸に力強くひびいたという。(林不忘 『平馬と鶯』)
その昔剣聖 上泉伊勢守も武人心得おくべき条々に遺訓 して仰せじゃ。それ、武 は覇者 の道にして、心、王者の心を以て旨となす。(佐々木味津三 『旗本退屈男 第七話 仙台に現れた退屈男』)
武 *
中国人の姓 の一つ。百家姓 第250位。
武 *
武術 。武芸 。
武 *
vũ , võ
武術 。
北部:Vũ , 南部:Võ
ベトナム人の姓 の一つ。
字典掲載
康熙字典
575ページ, 9文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)
16273
新潮日本語漢字辞典 (2008)
5680
角川大字源 (1992)
4661
講談社新大字典 (1993)
7835
大漢語林 (1992)
5632
三星漢韓大辞典 (1988)
965ページ, 8文字目
漢語大字典 (1986-1989)
2巻, 1439ページ, 5文字目